わりとこうアムログ

宇多田ファンだけど結局安室ちゃんについて考えたり調べたりしたことを記録する羽目になった    「宇多田ファンによるアムログ」と同じ

劇団四季 アナと雪の女王感想

劇団四季のチケットが平時に比べてかなり取りやすいということに今年に入ってから気づいてしまい、四季会員になっています。 今年に入ってライオンキングとキャッツを2回ずつ見ていて、元々アナ雪好きということもあり当然のようにチケット×複数回を購入しました。

初日はさすがに無理だったけれど、比較的早い時期(7/9)の回、および8/7の回のチケットを取れたので感想を書いておきます。
ちなみに次は12月公演に行く予定。今から楽しみ~

劇団四季をちゃんと見るようになったのは本当に最近で、四季オタってほどでもないのでそんなに濃厚な感想は書けませんが悪しからず。(逆に言うと四季オタじゃなくてもエラく感動しましたということ

エルサを縛る呪い

映画より強調されていたと思ったのは
"Conceal, Don't feel"
です。パパが幼きエルサに言って聞かせ、映画レリゴー原語版でも歌われる重要なフレーズですが、映画版(吹替版)ではあまり出てこなかったような。
四季版では何度も「見せないで、感じないで」と繰り返され、エルサを縛るようになっていく経緯がきちんと描かれています。 「笑っちゃダメ」と思ったら逆に笑いのツボが異常に浅くなるように、「感じないで」なんて言ったらビビるにきまってるよねぇ、、、とか思っちゃいますが、パパのその忠告も愛ゆえなんですよね。

レリゴー

観賞した人100人中120人が答えると思いますが、もうとにかくレリゴー。すごすぎ
アナ雪がミュージカル化という時点で誰しもがレリゴーに期待するはずですが、それを全く裏切らない真正面からの剛速球レリゴーでした!

日本で普通に生きてるだけで数百回は聞いてきたであろうあのイントロ、流れ出した瞬間に客席もレリゴーキター!という空気になったと思います。が、やっぱりシメの凄さですよね…

エルサ「すこーしも寒く」
エルサ「ないわ~~~~!!!!!!!!!!!(大迫力)」
客席:(どよめき)(ところによって涙・笑い)(←凄すぎて)

開演前はあんなに品よく静かだった客席が、レリゴー直後は興奮で騒々しくなってしまうほどの衝撃。
コロナ禍で歓声を上げることはできなかったのですが、あの瞬間はレリゴーやべぇの一言で客席全員の心が一つになっていたと断言できます。
こういう空気感もあるからやっぱり生の観劇って素晴らしいですね。

歌もやばかったのですが、個人的には歌いきった瞬間にバッと後ろにマントを翻す動作+暗転もかっこよすぎました。安室奈美恵かと思った(アムラー並感)。同じような動きは映画版エルサもやっていますが、岡本さんだと凛々しさがさらに増してましたね。

失礼ながら四季のキャストさんとか全く知らなかったのですが、今回はさすがにお名前を覚えました。岡本瑞恵さんという方なのですね。「岡本 エルサ」であほみたいにツイッター検索してしまってすでに沼の予感です。マジでめちゃくちゃかっこよかった…

四季ってまさかあんな歌唱力の方がゴロゴロ在籍しているのでしょうか???ドル箱コンテンツの主役だし、さすがに劇団の中でもトップレベルの方ですよね?

姉妹愛の描き方が映画より濃厚

アナ雪1・2ともにDVDを持っているレベルで好きですが、四季版では姉妹愛の描き方がより深くなっていて姉妹尊い勢としてはめちゃくちゃ良かったです。

I Can't Lose Youという、映画版では生まれてはじめて(Reprise)の立ち位置となる新曲、これがエルサ・アナの心情をよく描いていてよかった。 アナってあんなに小さいころからわけもわからずエルサに締め出されちゃって辛かっただろうな…というのは映画版でも割と描かれていたと思うのですが、エルサ→アナの感情についてはあんまり言及ないよな~と思っていたところ。
この新曲 I can't Lose youでは、「あなたを愛しているからこそ傷つけたくなくて避けていた」ということがはっきりエルサの口から言葉になっていたので(歌詞はうろ覚えですが…)グッときました。 そしてこの曲では相反する願いを持った姉妹がハモるのもまたイイんですよね。

また、クライマックスでアナが凍ってしまうシーンでも「こうなることが怖くて、あなたをずっと避けてきたのに」というエルサの言葉があり、エルサにとっていちばん怖いこと=アナを傷つけること というのがはっきりと打ち出されていました。(このときの悲壮感あふれる演技もすばらしかったです)
このセリフによって、エルサの絶望を映画版よりさらに深く感じられました。13年間、ありとあらゆるものを犠牲にして守ってきたアナを自分の手で殺して(←あえてこの言葉を使いますが)しまったという絶望…きつい…

エルサとアナ、2人とも行動原理となっているのはお互いへの愛なのに、ことごとくすれ違ってしまっているのが虚淵玄脚本のようでアアア…となります。(まどマギ好き並感

あと映画と違うなと思ったのは、意外とアナがエルサに触れているということ。
戴冠式後のパーティシーンでは姉妹が会話する数少ないほっこりシーンがありますが、そのときにエルサとアナの手が触れあったりしてるんですよね。 I can't Lose youのラストでも(アナからの一方的な)ハグもしてるし。触れ合ったり近づいたりしてもアナは凍ったりしない、という希望がもともと示されている。やっぱり希望と絶望の相転移が膨大な魔力を生み出すってことなのね…(CV水橋かおり

そして大団円のフィナーレではレリゴーのリプライズ版が流れます。これがまた琴線に触れまくりました。
アナが「ありのままのあなたでいいの」(的な歌詞)と歌った瞬間に涙腺をやられました。

この時点まではレリゴー=エルサが1人で歌い上げる曲・1人でいることを肯定する曲だったわけで、そこにアナが扉を開けて入ってきてくれるんですよ。しかも歌詞!泣くわ…
そしてその後、エルサが「魔法はあなたよ」(アナと触れ合いながら)とくるのが素晴らしすぎて。1人レリゴーでバンと閉めた扉をこじ開けてくれたのがアナですもんね。エルサからすれば雪と氷より強力な魔法だってことですよね。自分で文章化しながら尊…となっています

そして1人レリゴーとフィナーレレリゴーでは歌詞がそこまで大きく変わっているわけではないのに、「ありのままで(Let It Go)」という言葉の持つ意味合いが変わっている、というのがとても巧みだと思いました。同じ主題を繰り返しながら一貫性と変化を表現するというミュージカルの王道を見た気がします。
※最後の最後に雪だるま作ろう~のメロディが入るのもニクい

最高の観劇体験をありがとう…

席の感想

1回目は2階席11列目センターでした。
レリゴーはじめ魔法の表現で床を使うものが多かったので、全体が見えてよかったです。

2回目は1階席8列目の上手側。
逆に魔法の一部が見えなかったりして少し残念ですが、キャストさんの表情がとてもよく見えて没入感がありました。世間的には2階席を推す声が多いようですが、私としては1階席の方が好みかもしれません。
1階席は、アナ役の三平さんが表情豊かなのがよく見えて、このアナまじでアナじゃん!という感動を得ることができました。(ていうかアナ、エルサよりずっと舞台にいるしキャラ的にせわしないしアクロバティックもコメディも早替えもあるしめちゃくちゃ器用ですごい)
ミュージカル=歌とダンスが中心で演劇的要素は相対的に低いと思っていたので、表情や声色であんなに豊かに語るものだとは恐縮ながら知らなかったです。

あとあれだ。ヤング姉妹が雪だるまを作っているときにサーヨルゲンビョルゲン(「家族の思い出」という短編に出てくる)を見つけられたのは1階からだ。
サーヨル(略)出すのはズルいですね~  スタッフ、わりと私と同じ目線でのFROZENオタなのではという気がしてきました