わりとこうアムログ

宇多田ファンだけど結局安室ちゃんについて考えたり調べたりしたことを記録する羽目になった    「宇多田ファンによるアムログ」と同じ

2025年6月 ウズベキスタン・トルコ旅③ サマルカンド

前回のあらすじ

ursidae.hateblo.jp

ウズベキスタンの観光といえばここ。日本でいう京都的存在、青の都 サマルカンド の街歩きになります。

サマルカンドとアミール・ティムールについて

街に繰り出す前にざっくりこの一帯の歴史について私の1観光客レベルの知識を書いておきます。Wikiなどで読んだ情報を適当にまとめてます。

アミール・ティムールはサマルカンドを語るうえでの最重要人物です。一言でいうとサマルカンドを作った人ですね。 今後出てくるサマルカンドの史跡はほぼアミール・ティムールが作ったもしくは関わったものになります。

まず、ティムールの時代のはるか昔、サマルカンドイスラム化はされておらず、シルクロードの要衝として発展していました。サマルカンドは13世紀にチンギス・ハンの侵略によって破壊されてしまい、都市としての姿はなくなったそう。

その後14世紀、中央アジア遊牧民族やらイスラム勢力やらの群雄割拠の時代でした。 台頭してきたのが没落貴族出身のアミール・ティムール。軍事において天才的だった彼は近辺の部族を支配する一大勢力になり、ティムール朝を成立させました。

サマルカンド…ではなくタシケントにあるティムール像。顔が見えない写真ですみません

彼がティムール帝国の首都としたのがサマルカンドで、世界でも屈指の大都市として繁栄を誇りました。サマルカンドのいろいろなモスクはこの時代、およそ15世紀のものです。
青の都として有名なサマルカンドですが、青なのはティムールの好みだそうです。

モスクを建設したということは当然イスラム教なのですが、モンゴル帝国の要素もティムールの時代には色濃く残っていたとされています。遊牧民族の人々もこの帝国には多くいたそう。

なお、ティムール朝は16世紀の前半にシャイバーニー朝に滅ぼされているためそこまで長命な帝国ではなかったようです。ティムール自身は突出したカリスマだったのですが、それを引き継げる有能な後継者が不足していたと考えられます。

なお、このシャイバーニー朝はウズベクの王朝で、現在のウズベキスタン共和国の人の大半はどちらかというとこのシャイバーニー朝に近い人々ということになります。(つまりティムールの敵側)

その後ウズベク人の3王国(そのうち一つのヒヴァ・ハン国の首都が、前日旅したヒヴァ)などを経てロシア帝国、ひいてはソビエト連邦の一部とされてしまうわけです。

当時ソビエト側としてはティムールへの評価は否定的でした。そのソ連崩壊後、ウズベキスタンという国の英雄としてティムールが持ち上げられている、ということらしいです。 前述のとおりティムールはウズベク人の先祖ではないので若干不思議ですが、敵の敵は味方的なことなんでしょうか。SHIRANKEDO

ウズベキスタンに限らず中央アジア一帯はモンゴル系、テュルク系、ウズベク人、ロシア・ソビエトなどなど様々な勢力が様々な境界線を引いてきて、現在のウズベキスタン共和国ができたという感じです。

世界史選択ではなかったのでちゃんと勉強はしていないのですが、このあたりの歴史を覚えるのはかなり大変そうですね。

詳しく知りたい方は調べてみてください。

参考URL: ウズベキスタン共和国

ティムール - Wikipedia

ある一つの土地を異なる民族が立ち替わり入れ替わり支配する、というのは日本史的にはなかなかない(先史時代・大東亜帝国はともかく)ので新鮮です。

まあ、豊臣が統一したり徳川が統一したり…という支配する氏が変わっていく戦国時代を捉える感覚に近いでしょうか。 個人的にはサマルカンドの史跡があまりにもティムールなので、江戸(や駿河)における家康的存在なのかなと置き換えて理解しています。

こういった地続き国の人たちのアイデンティティは土地に紐づくのか民族(血統)に紐づくのか、みたいなのもすごく興味深いですね。

そもそも民族という区切りも、混血が容易に起きそうな地続きの土地においてどこまで確かなものだったんでしょう。

などと考えてみると、元寇でモンゴルの侵略が成功しなかったのって日本にとってものすごくデカかったんだな…、など外の他民族に侵略されなかった島国JAPANの特異な立ち位置というものも浮き彫りになります。

(「島国」であるということがものすごく大きな意味を持っていたのだとすると、じゃあブリテンも同じじゃない?と思うのですが、ブリテン島は大陸から結構侵略を受けているんですよね。去年イギリス旅行をしたとき、ドーバー海峡からの敵を警戒するためのドーバー城を見に行って学びました。それは大陸からの距離が日本のそれよりだいぶ短かったからだと思います。)

ビビハヌム・モスク

ということで話が逸れましたが、ホテルから見えていたビビハヌム・モスクに訪れます。

ビビハヌムというのはティムールの奥さんの名前。ティムールが建造を命じたもので、15世紀当時としてはかなり急ピッチで建設が進められたそうです。

ビビハヌムさんが埋葬されているなどではなく、役割としてはシンプルにモスク(礼拝のための施設)だと思われます。

とにかくでかいです。

公道にいきなり現れる門。でかい

モスク本体。でかい

私が圧倒されて、日本の遺跡にこういうスケールの大きなものってないよな~と呟いたら、「姫路城とかもでかいやんけ」とつっこまれました。たしかに。

とはいえ、上にいくにしたがって細くなる日本の城に対し、この辺の建築物は直角にスコーンと聳え立っているので押しつぶされそうな威圧感がやはり違うと思います。あと1パーツごとがでかい。なのに装飾は細かい。すごい。この圧倒的存在感は現地じゃないとなかなか味わえないですね。

モスク側面からの図

ドーム屋根の美しい青

凝った作りのタイル。いい青

とまあ圧倒されるのですが、これ、実はソ連時代に再建されたものなので15世紀から残ってるそのままのものではないそうです。 Wikipediaに20世紀初頭の姿が載っていますがたしかに特に上層部がボロボロです。でも今の姿と共通する箇所も結構ありますね。

修復したんだな~というのは、このような内部を見てみてもわかりやすいです。

ツギハギ感のある内部

ソ連時代序盤は、そもそもこのモスクは廃墟同然となっていたらしいです。ロシア正教会擁するソビエトがわざわざモスクを再建してあげたというのは一瞬ハテナなのですが、調べてみると他宗教への寛容さを示すため、という政治的判断もあったのだとか。

たしかにところどころ危うげな箇所が…

シヨブ・バザール

このビビハヌムモスクのすぐ隣というなんともいい場所にバザールがあります。 何気にビビハニムモスクより歴史があり、2000年続くものなんだとか。

バザール入口

バザールの一角

観光客向けのお土産屋さん・スパイス屋さん・ドライフルーツ屋さんもたくさんありますが、奥の方には現地の方向けの生鮮食品・日常雑貨のマーケットがありました。売っている野菜や果物でそこまで変わったものはなかったかな…?

今後もモスクに行くことを考えてコットンのスカーフを調達。10万スム(1000円程度)だったでしょうか。 なお、ウズベキスタンで買い物をするとかなりの確率でplastic??と聞かれます。何?と思ったらビニール袋のことでした。もちろん日本と違って無料でもらえます。

立ち止まって商品を見ているとたいてい話しかけられるので、そういうのが苦手な方はなるべくスピーディに見ましょう。(笑) でもなんかウズベキスタンの人々、全体的に外国人に慣れてなさそうというかシャイというかあんまりグイグイはこないかも…?

シャーヒ・ズィンダ廟群

次は暑い中ですがシャーヒ・ズィンダ廟群に向かいます。サマルカンドのど真ん中からは若干離れます。 といってもシヨブバザールから徒歩20~30分ほどだったでしょうか。しんどければYANDEXを使ってもいいかなという距離です。

シャーヒ・ズィンダはティムールの一族が葬られているお墓の集まり。そこもタイルの装飾が非常に美しいのでレギスタン広場に並ぶ観光スポットです。 丘の傾斜の中にありますので、ビビハヌムが若干小高い場所にあるのもあいまって歩いて向かうとややアップダウンがあるでしょうか。

ショートカットで獣道を行かされそうになるの図。バザールで購入したスカーフを身に着ける

シャーヒズィンダ廟群に向かう大通り沿い。結構整備されている

この辺りはさすが観光向けに整備されている

遠ざかるビビハヌムモスク。駐車場がシボレーだらけなのがおわかりだろうか

到着すると、入場料を払って階段を登っていきます。

入口から即登る

廟が立ち並ぶ入口。奥に道が続いていくのがワクワク感ある

青の服を着ている人が多かったかも(私も地味に靴下が青)

タイルに黄色が入ってるからかやはりビビッド

このような廟がいくつか立ち並ぶので、中に入ったり外装を眺めたりしつつ進んでいきます。

最奥部に3面タイルに囲まれた場所があります。

絢爛

この写真でいう右側の建物からさらに奥に入れる入口があります。

ただしこの中は本当の礼拝空間になるので撮影は禁止です。 おそらくちょうど礼拝時間に入ってしまったっぽく祈りの言葉的なものを唱える集団に巻き込まれました。(まあ、こちらがお邪魔している立場だが)(なんとなく合わせて手の振りとかやった)

なお、脇道に入るといい感じのちょうどさっき見てきたビビハヌムを望めるいい感じの場所がありました。

被写体のポーズはダサいがいい感じの撮影スポット

青の密度、鮮やかさ、サマルカンドでもいちばんの美しさといって過言ではないと思います。

とまあ映えばかり載せててもアレなので、謂れを確認しておきます。

Wikipediaより。

シャーヒ・ズィンダ廟群 - Wikipedia

シャーヒ・ズィンダ廟群には9~14世紀及び19世紀に建設された儀式用の建築物と霊廟の集合体である。シャーヒ・ズィンダ (生ける王を意味する) という名前は預言者ムハンマドのいとこであるクサム・イブン・アッバース (Kusam ibn Abbas, Qassim-ibn-Abbas)が7世紀にイスラム教布教のためアラブ人によるサマルカンドへの侵攻が行われた時期にこの地を訪れ、同時期に埋葬されたという伝説と密接に結びついている。一般的に知られている伝説においては、彼はその信仰のため斬首されたが、自分の首を拾って地中深い井戸の中にある楽園の庭に行き、現在でも生きているとされている。

シャーヒ・ズィンダ廟群は11世紀から19世紀までの9世紀の間に作られており、現在では20以上の建造物の集合体となっている。

ティムールの親戚が葬られてると思いきや彼より古い時代の建造物もあるんですね。※実際にティムールの妻なども葬られています

前述、最奥部から入ることができた撮影禁止の建造物はクサム・イブン・アッバースムハンマドの従兄)が眠る霊廟で、ムスリムにとって大きな意味を持つ場所ということです。これが11世紀、つまりティムール以前の建物ってことですね。(ということを事後に調べて知る…すみません)

ランチ(またプロフ)

お昼の時間帯になったので近くのレストラン「Samarkand plov Otash osh」に向かいます。その場でGoogleマップで調べたプロフ専門店です。

専門店ということでメニューの選択肢がなく、問答無用でプロフが出てきます(プロフのサイズと前菜は訊かれました)。なんかそういうお店っておいしそうですよね。

実際出てきたのはこちら。

旨そうすぎるプロフ

肉を切ってのせてくれるさわやか的サービス

特にフリとかでは本当においしかったです。柔らかいけどがっつりお肉、パプリカ(写真内、黄色の細長いやつ)、レーズンぽい果実がいい塩梅に油の中でいい旨味を出し合いながらコラボレーションしていました。

後日出会うウズベキスタン人のジョン氏に教えてもらうのですが、この辺のプロフはアマニ油を使っていて旨いんだそうです。美味、というより旨い、と評したいこの料理。

なお、この国トマトめっちゃ出てきますね。野菜=トマトくらいの勢いです。大半のごはん処でこんな感じのサラダが出てきます。

トマトサラダ マリネっぽい

酸味が強いですが暑さに疲れた身体に沁みます。

あとお茶も出してくれます。

お値段は覚えていませんが(日本人的には)お安かった記憶です。ローカルの人も結構いましたし。

どうでもいいのですが、お店のテレビで流れていたミュージックビデオにサンタコスのおねえちゃんたちが映っていて、イスラム圏でもこういうのありなんだ…とびっくりしました。(笑)

ミニスカじゃないあたりがムスリムの良心か

レギスタン広場

暑〜い時間帯をホテルで休憩しながらやりすごし、夕方になりました。

本日最後にサマルカンド観光の大本丸に向かいます。

レギスタン広場は巨大モスク(+メドレセ)が3つ集まる大広場です。

フリーで入れると勘違いして変なところから入場しようとしてしまったのですが、正式なチケット売り場が広場に向かって左手側にあります。

入場口

入場しなくてもここまでは来れます。

レギスタン広場

入場するとこんなのが撮れます。

入場後

望遠レンズにて

とまあ観光客がはしゃぐのはそうなのですが、結婚写真を撮っている現地カップルもちらほら。

衣装も素敵

東京人における東京駅のようなポジションですかね。ウズベキスタン人もやるのね~と親近感。(我が家も横浜の某映えスポットにて実施)

この3つの大きな門からそれぞれ中に入ることができます。

広場向かって左:ウルグ・ベク・メドレセ

その名の通り、ウルグ・ベクが建造を命じたメドレセ。彼はティムールの孫で天才天文学者という設定盛りまくりのつよつよ人物でした。サマルカンドにおいてティムールの次くらいの重要人物です。

門構えはこんな感じ。

直線的な模様が多い気がする

塔、若干傾いてるような…

門から入るとこんな感じです。

ウルグ・ベクのもとに集った学徒たちが学ぶ場だったようです。メドレセ(神学校)とはありますが神学というより数学や天文学が盛んだったのではないかと。

ウルグ・ベクの時代のイスラム世界の学術の発展は目覚ましく、ヨーロッパに紹介され危機感を持たれるレベルでした。ここもとても興味深い歴史なのですが、翌日に予定するウルグ・ベク天文台のパートで語ります。

この中もお土産店だらけなのですが、行きたかったのがタイル工房です。

ウルグ・ベク・メドレセ内のタイル工房。日本人ホイホイ

地球の歩き方にもオススメと推奨されていたのでおそらく日本人客が多いのでしょう。(とはいえウズベキスタンで日本人観光客をそこまで見てないが…) どうやらレギスタン広場がJICAと関わりがあったようなので、そこのご縁なのか日本のテレビ番組で取り上げられたり何だりで日本に親しみを持ってくれているようです。

日本語学習中という見習い(?)の少年がおり、2階の工房に案内してくれました。

写真を撮るのは自重しましたがその場で粘土を切っている職人さんがおり、タイルで描きたい絵の設計をし、粘土に下絵を描いて、カッターで切って、焼いて、組み合わせて・・・という工程を主人っぽいおじいちゃんスタッフの方が説明してくれました。

コバルトや銅を含んだ釉薬で青の色付けをしているそうです。

のちに調べると、青といえば思いつくラピスラズリ(顔料)はとても貴重でモスク全体に敷き詰めるような使い方はとてもできないのですが、コバルトなどの釉薬として青を出す素材であれば比較的に手に入りやすかったみたいですね。

ということでこんなのを買いました。

我が家に飾り中のサマルカンドタイル。かわいい

この工房については本職?のブログに詳しいです。 www.arukikata.co.jp

広場向かって右:シェルドル・メドレセ

シャイバーニー朝に入ってから作られたもののようなので、ティムールの時代にはなかった建造物ですね。 張り合うように建てられていますが、ティムールやウルグベクと変わらぬ威光を示したかったのでしょうか。

トラ?ライオン?が描かれる

このトラっぽい動物はいろいろなおみやげもののパッケージなどでよく見かけます。たしかに3つのメドレセの中で最も印象的なモチーフかもしれません。

横から見てもやはり巨大なスケール

広場中央:ティラカリ・メドレセ

こちらも門から入ると中庭のような場所に入ります。

中のモスクの天井が見どころです。

実はドームでなく平面

なお、3つを回っていると今どのメドレセにいるんだっけ?がわからなくなってきます(笑)。写真を見返してもどの建造物の写真だったか記憶が危うい・・・(なのでここの写真は少なめ)

とはいえ1.5時間程度いたでしょうか。レギスタン広場を後にして夕飯に向かいます。

夕飯

ホテル至近のレストランにふらっと入りました。

プロフはたくさん食べたので、さすがに他の物をいただきます。

手前ラグマン 中央:マンティ 左奥:マスタヴァ

そこはかとなく雑な店構えだった(&我々(外国人)が入っていったら戸惑われた)のであまり期待していなかったのですが(笑)、どれもおいしかったです。特にラグマン、マスタヴァといったトマト系スープにうまみやコクがよく出ていてよかったです。 マンティは餃子っぽいのですが、羊肉が使われてるのでちょっと癖があるかも。でも美味。肉もけっこう粗挽きな感で歯ごたえあり。

マンティはじめいろいろな料理にヨーグルトソースがついてくるのが日本人的には不思議だったのですが、料理が全体的に油多めなので爽やかなヨーグルトというのが合うんですよね。

と、こんな感じでサマルカンド観光1日目は終了です。

前回の記事の通り、2夜連続夜行列車で過ごしたんですが案外イケましたね…笑

次の日はウルグ・ベク天文台とレギスタン広場(2回目(笑))、そしてタシケントへの移動になります。

2025年6月 ウズベキスタン旅行②ヒヴァ~サマルカンド1

前回のあらすじ: ursidae.hateblo.jp

さて、14時間の夜行列車の旅を経て、ウズベキスタン西部の砂漠の街・ヒヴァに着きました。

ヒヴァ駅

11:10頃到着し、なんと16:24にまた列車でヒヴァを発つというアホのスケジュールを組んでおります。さあて、5時間で楽しむぞ

※アホのスケジュールの言い訳をしておきます。
ヒヴァの観光はイチャン・カラという数百メートル×数百メートルの城壁の中の区域に集約されていて、この中に点在するモスクやミナレット(塔)、メドレセ(神学校)を回る感じです。それぞれの施設同士は徒歩数分~10分程度で行き来できます。

公開施設全制覇するぞ!とかの目標がなければ半日~1日でも案外ポイントは掴める。と思う。

イチャン・カラ入口にあるマップ。本当にRPGの旅人気分

駅からイチャンカラまではまあ歩けなくはないですが、体力と時間の温存のためタクります。YANDEX利用可。

駅に荷物預かりスペースがあります!
コインロッカーなどという概念はないので、これがあるかないかでヒヴァ滞在時間の質が全然変わってくる大事なポイントでした。調べてもわからなかったので当日までドキドキしていたのですが、あってよかったです。

街並み

ざっくりヒヴァの概要を引用させていただきます。 ヒヴァ観光情報 | ウズベキスタン現地旅行会社 | SRPTRAVEL

1592年からヒヴァ・ハーン国の首都となり、1842年に町がイチャン・カラ(内側)とディシャン・カラ(外側)に分けられました。現在、観光地とされているイチャン・カラはヒヴァ・ハーン国の宮殿のためのエリアで高級官僚や裕福な商人、聖職者が住んでいたとされ、内側と外側の城壁の中間に人々が今でも暮らしています。 現在残る建築物は17世紀以降のものがほとんどです。 1969年イチャンカラは博物館都市として指定され、1990年ウズベキスタンで初めて世界遺産に登録されました。

国の首都になったことがきっかけで17世紀に栄えたようです。

博物館都市と言われていますが、まさに古の趣をそのまま残した街並みです。日干し煉瓦(多分)で作られた街並みにミナレットやモスクの屋根がニョキニョキ建っています。 映画ロケに使えそう。

イチャン・カラを取り囲む城壁の一部

イチャン・カラの一角 おみやげ屋さん多し

イチャン・カラ 見える建物は史跡か飲食店かホテル

当たり前ながら、まじで土

いくつか行きたいところをピックアップしてあったので早速向かいます。

イスラム ホジャ ミナレット

付近をうろついているとおじさんが声をかけてきたので、10万スムを払って登りました。(これもなんかRPGっぽい)観光客が登れるミナレットは多くはないので貴重です。

下り。急な階段。頭もぶつかりそう

これをやった後、太腿がパンパンで別の階段を昇降するときにやや支障をきたしました。120段くらいあると言っていたような気がします。1段が大きい。

年配の方、足腰弱い方は要注意。でも街並みを一望できるので最初に行ったのはよかったかも。

登頂後の景色

参考…ミナレットとは: モスクにある尖塔「ミナレット」とは?その意味や役割、世界の名建築を紹介! | トルコ旅行・トルコツアー おすすめプラン満載の【ターキッシュエア&トラベル】

モスクに設置されている「ミナレット」は、1日5回の礼拝が義務づけられたムスリムに対し、その礼拝時間を呼びかける「アザーン」を行なうための場所です。以前はアザーンのほか、要人の死を知らせる目的でも使用されていました。

カジモドが住んでいそうな施設ですね。(四季オタ並感)

ミナレット=モスクとセットなわけですが、本体であるところのイスラム・ホジャ・モスクの敷地外に入口があり、わけもわからず登った感じなのでモスクには行けていないです。軽薄な観光客で恐縮です。

ミナレット入口の階段。急

ランチ

ウズベク飯としていちばん気になってたプロフにありつきます。

プロフ 上にのっているのはニンニク

プロフというのはまあ基本ピラフなんですが、お肉と油がたくさん使われていてよりがっつりジューシーです。旨い。油もくどくない。ウズベク内の地方によってちょっとずつレシピが違うらしいです。

ウズベキスタンは大半がイスラム教徒の国ですが、そんなにストイックではないのでアルコールを出してくれる(店もある)のが旅行者的には嬉しいところ。暑いのでビールがうまい。

ご当地ビールのSARBEST

なおそんなウズベキスタンでもやはり豚肉は見かけませんでした。探せばあるのだろうか。だいたい牛か羊。たまに鶏。

シャシリク。旨い

飛び込みでSULTANという小綺麗なレストランに行きました(サーバーのおねえさんかわいかった)が、多分だいたいどの店も似たようなものを出してると思われます。2人でしっかり食べてビール込み約2000~3000円ってところだったでしょうか。ローカル物価よりは高いですが、まあお得です。

クフナ・アルク

ヒヴァ・ハン国の宮殿だったところ。豪華。これこれ、こういうやつを求めていました。ウズベキスタン!!

アイヴァンというスペース

この緻密さよ

宮殿内 当時のハレム?寝室?再現スペース

クフナアルク敷地内の宮殿跡

近寄ってみると手描きの生々しさがわかる

ミニ博物館も敷地内にありました。修復の軌跡が辿れます。

ジュマ・モスク

たしか2025大阪万博ウズベキスタンパビリオンでもフィーチャーされていたんじゃないでしょうか。タイルではなく珍しく木がメインのモスク。
光の入り方が抑制的で、柱たちの陰影がすごく神秘的なんですよね。

柱に彫られている紋様もこの光と影の中でとても表情豊かに見えます。ちなみに柱ごとに紋様が違う。

ジュマモスクの柱

こんな感じで撮ってみるとなんだか日本人の感性に通じるものも感じます。

宗教心の特にない私が言うのも何ですが、神に祈る場所としてたしかにぴったりなんじゃないかと思います。

そういえば木材が豊かな土地とは思えないのですが、なんでいきなり木で造ろうと思ったのか、どのようにこれらを調達したのか気になります。(さらっと調べた感じ、答えは見つけられず)

休憩

と、ここまで3時間ちょっとで回ったところで暑さにやられて休憩を挟まざるを得なくなりました(6月上旬の体感として帽子・サングラス・日焼け止め・多めの水分は必携。水分は駅及びイチャンカラ内で調達可能)。

というか案外行きたいところは回れたな?という感じだったのでいい感じのカフェに入って観光は終了です。

前述のとおり、今回回った箇所は全て徒歩10分圏内くらいにありましたのでわりと大丈夫でした。

おしゃれカフェ

街並みや内装もいい感じなのでここで結構だらだらしてしまいました。時間との闘いとか言ってたくせに・・・

ものすごく濃いアップルジュースが出てきた 搾り汁そのままっぽい (モザイク加工へたくそ)


さて、終わってみると、アホのスケジュールでも案外いけたな…という実感でした。が、この古い街並みをのんびり散策したり、さらにいろんなモスク等を余韻に浸りつつ巡ったりするのが当然ながら望ましいので、時間のある人はできれば丸一日は予定しましょう。(それはそう)
ただ、あまり交通のアクセスがいいところではないので、丸一日以上滞在するとなったらおそらく宿泊が必要になるでしょう。

駅の広場からの眺め

サマルカンド

再度夜行列車に乗ってヒヴァを発ちます。夕方発で、次の目的地サマルカンド駅に着くのはなんと夜中の3時前です。アホのスケジュールラッシュ。列車で寝れるだけ寝ます。

サマルカンド駅。タシケント南やヒヴァより大きい

サマルカンド駅にてヤンデックスを捕まえます。こんな時間でドライバーがいるか不安でしたが案外捕まりました。最悪ヤンデックスがなくても出待ちの運ちゃんがワラワラいたので移動はどうにかなりそうな雰囲気。

今回のヤンデックスの運ちゃんは割と陽気な兄ちゃんで、我々が日本人だというと「日本に my bro がいるよ!」とのこと。こういう観光地にありがちなエセ日本通ムーブ…?と思いきや、千葉や三菱という海外の人にしては微妙にマニアックな固有名詞を知っていたので信憑性は高い。

この後もちょくちょくそういう人が出てきますが、日本に興味があるとか縁がある人がわりと多い?か?

3時くらいに着くよ!とあらかじめ伝えてあったのでホテルではスタッフのおじさんが真っ暗な中待っていてくれました。こんな時間にすまん、おじさん

OTAサイトに24時間チェックイン対応と書いてあっても、本当に常時構えてるわけではないので変な時間に到着する場合は事前に連絡しておきましょう。これはまあ日本国内でもそうですね。

そんな変な時間にチェックインした数時間後、明るくなったホテルの窓の外を見るわけですがなかなかすごい。

ビビハヌム・ホテルから

おお・・・。

この屋根はホテルの施設…ではなく隣にあるビビハヌム・モスクというモスクの一部ですね。この眺望を売りにしてるホテルなのでこういうのが見れるのはわかってはいたのですが、景色の全く見えない真夜中に到着して(モスクにライトアップなどはない)、起きたときに朝日に輝くモスクを見つける、というのはハッとするいい演出でした。図らずも。

せっかくよく見えるのでタイルを凝視してみます。

おお…

密ッ…

物量を感じます…

※20倍のズームが効くSONYコンデジで撮影。ポケットに入るくらい小さくて高倍率できると密な写真が撮れるので旅先でよく使っています。なおこの旅行記の写真の大半はこのカメラではなく、夫のお高い一眼カメラで撮影。

この感動に水を差すようですが、モスクの屋根に草が生えてて草。

タイルの下は土でできているからなのか、結構繁ってます。笑 まあこんなところそうそうメンテナンスもできないでしょうしね。垣間見える生活感と生命力にほっこりもする朝でした。

このホテルは朝食レストランからの眺めもすごいです。

ホテルのレストランから

品数はそんなに多くはないですがビュッフェ形式。卵を使ったもの、ハム、チーズ、フルーツが多いですね。

この形式のハムはこの後の旅程でもよく見ました。豚肉はイスラム教的にNGなはずですが、何の肉…?

さて、ここからはウズベキスタンのメイン観光地たるサマルカンドの見所を回ります。

次回予告:

  • ビビハヌム・モスク
  • シャヒ・バザール
  • シャーヒ・ズィンダ廟群
  • レジスタン広場

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2025年6月 ウズベキスタン旅行①ウズベクに行くよ

私事ですが最近結婚しました。で、新婚旅行をちょっとマニアックなウズベキスタン(+トルコ)という国にしたのでいろいろ書いておきます。

旅行の行き先について

南極(笑)などの案も出ましたが、乙嫁語りの世界、○○スタンとか中央アジアとかシルクロードとかに憧れを抱いていた、かつ、治安などを考えるとカザフスタンウズベキスタンかな?と考えていました。

※ちなみに南極はなんとHISのツアーがあり、長期休みとお金さえあればパンピーでも行けなくはないっぽい。よりもい。

ここでAI大好き夫がGROKにシルクロードの旅をしたい!と投げてみたところ、サマルカンドを擁するウズベキスタントルコの旅はどう?と提示されたのです。たしかにシルクロード

で、憧れてるわりに前知識ゼロの私たちはAIのいうことを鵜呑みにし、

のフライトチケットを取ってしまったのでした。

AIの使い方として、いちばんやってはいけないとされてること(鵜呑み)をまんまやってますね。

そしてウズベキスタンとトルコ、AIがセットで提案してくるからには距離が近いのかと思っていたら、地図で見ると結構しっかり離れているのです(ウズベキスタンの首都タシケントからイスタンブールへのフライトは約5時間)。 

旅程の効率性と自らの知性に一抹の不安を覚えたものの、フライトを買っちゃったのでガチャを引いたと思って行くしかありません。
愚か…

そしてさらに愚かなことに、

にも行きたくなってしまった私たちは夜行列車や追加フライトを取り、

という移動&移動&移動のハード旅を決行することになりました。

参考画像:

ヒヴァ・サマルカンドタシケントの位置(ピンがついているところ) これに加えてトルコにも行く

新婚旅行ってもうちょっと優雅なもんだと思ってましたが、おかしいですね。

なおこれにより夜行列車移動に挟まれたヒヴァの滞在時間は5時間となります。 以前敢行したモロッコ旅行もこんな感じ・なんならもう少しハードなスケジュールだったので、まあいけるんじゃね?と思ったというのもあります。

成田空港~タシケント

ということで2025年6月上旬某日、成田から発ちます。

ウズベキスタン航空@成田。 週3の直行便はウズベキスタン航空でのフライトです。

ウズベキスタンって多くの日本人から見るとどこ?ってか何?って感じなのですが、ウズベキスタン航空のキャッチコピー「the wings of Central Asia」(撮り忘れたけど紙コップなどに書いてあった)を見るに「中央アジア」としてのアイデンティティ・連帯感が強いんでしょうか。中央アジアという括り、日常生活であまり意識することがなかったのでなんだか新鮮でした。

中央アジアというのはそれこそ○○スタン系の国々かな。 ウズベキスタンカザフスタントルクメニスタンタジキスタンあたり?キルギスもかな。アフガニスタンまで行くと宗教観も含め別世界っぽく見えます。 なお、国名の「STAN」はペルシャ語で「土地」という意味だそうです。

参考画像:

とまあ陸続きの国たちの仲間意識に思いを馳せたところで(トルコとウズベキスタンの距離感も知らなかったくせに・・・)タシケントに着きます。
フライトは約9時間。

タシケント空港に到着すると機内→到着ターミナルまでバスで移動するのですが、ターミナルビル着いてドアを開けた瞬間、すぐ入国審査のカウンター。

あまりの率直な構造にびっくりしました。もうちょっと通路とかあるもんかと…

到着ターミナルでは、体育館的な大きな一つの空間の中に入国審査・荷物受取エリア・駐車場への出口が同居していてどんな方向音痴でもまず迷子になりません。

あと売店とかはほぼないです。SIM売場と両替はあった。Wi-Fiもあります。パスポートをスキャンする端末でパスワードを発行する仕組みでした。

この後、ヒヴァ行きの夜行列車まで時間があったのでタシケント市内のバザールまで行ってみることに。

YANDEX GOというUber的なアプリでタクシーを呼んで移動するのが観光客的には無難です。出待ちのタクシーは強い心でノーサンキューします。値段と行き先が確定した状態で乗れるのでヤンデックスは必携。空港の駐車場でヤンデックス運ちゃんと合流。

タシケントの街並み

タシケント、空気が汚い!(笑) ただし人工物質というより砂の汚さ(埃っぽさ)だと思います。歩道も砂で汚れている感じ。汚いという言い方は語弊あるかな。

右側通行、運転荒い、あとなぜかシボレーばっかり走っている。シボレーに特別安いとかのイメージはないのだがなぜ…(※これは数日後に種明かしあり)

運ちゃんは特にこっちに気を遣ってくるとかはなく自分の好きな音楽を流しているのですが、ウズベクのおそらく流行ポップスと思われる曲にもなんか絶対に中東っぽいグルーヴがある…!というのが驚きでした。

例えばこんな感じの、なんかアラブ?インディア?イスラム圏?何括りかわからないけどあの辺の独特なビート(というか音階が独特なのか?)、わかりますかね?

open.spotify.com

この地域のオリジナリティを出したい場面とかでなく、普通の流行音楽にもこういうノリが全部入ってるのが個人的には衝撃でした。

なお、Spotifyウズベキスタンのヒット曲を聴いてみてもほぼほぼこんな感じです。

まあ、J-Popも外国人が聴いたらきっと違和感があるんでしょうね。洋楽(アメリカ)と違うのはなんとなく私でもわかるし…

というのにびっくりしていたら、15分ほどでチョルスーバザールまで来ました。

チョルスーバザール

着いたのは18時頃。入れるには入れるのですが、全部店じまいしていました。

全部閉店している

まあこれもまた旅よ。 バザールではスパイスとかすげーでけー肉の塊とかをワイルドに売ってるっぽく(閉店してるが…)、なかなか独特の匂いがします。

しゃあないのでバザールの脇のコンビニっぽい売店でペットボトルなどを購入。

地下鉄チャレンジ

さて、タシケントの地下鉄駅は内装が凝っていて面白い、という話を聞くのでチョルスーの駅から乗ってみることに。ちなみに乗り方はわからない

とりあえず行ってみようと試みるのですが、地図で指し示される場所に来てもそれっぽいものが見つからず右往左往…、結果的に地下への入り口を見つけたのですが、地下鉄のマークも何もないただの階段で、なかなかの初見殺しです。

で、入ってみると改札前に荷物検査がありました。
券売機はなく、チケットカウンターみたいなのがありました。が、買わなくてもクレジットタッチ決済で改札を通れることがカウンターのおばちゃんからのガイドで判明。

カウンターのおばちゃんに限らず地下鉄スタッフ、あまり海外観光客慣れしてなさそうで英語が拙いかも。人のことは言えないが

地下鉄の乗客も外国人が乗ってくるのを珍しがってるのかそれとも平たい顔が珍しいのか、わりともの珍しそうに見てきます。
地下鉄に限らず、現地の人々は濃いめの顔立ちなので平たい顔族(特に私は日本人の中でも平たい方)は珍しいのか、現地の子供がめっちゃこっちを見てきます。

たしかに観光地を歩いていても現地の人+欧米系観光客ばかりで近しい顔立ちの人はいなかったです。てか逆に欧米の人は結構この辺に観光しにくるんだ?!という驚き。

そんな感じで観光客なんて想定外な駅構内では、英語表記はあまり充実していません。ロシア語かウズベク語です。

アミール・ティムール広場に行きたかったので、読めないけどなんとなくアミール・ティムールっぽさを感じる名前の駅で勘で降り、勘でそれっぽい出口に行ったら案外着きました笑

アミールティムールっぽい名前の駅があることだけはわかる

結果的に雰囲気でなんとかなりましたが、構内の案内板があんまり親切じゃないので、プラットフォームのどっち側の電車がどっち行きなのかがいまいちわかりません。 電車の頭の電光掲示板を見て方向を判断する感じだったので路線図くらいは手元に持っておきましょう。駅に貼ってあるので写真撮れます。Googleでなんとかなりそうですがネットが不安定かも。

確かにホームの内装と車体がかっこいい

夜行列車チャレンジ

アミール・ティムール広場近くの謎の夜市っぽいところで夕飯を食べ、いざ夜行列車の駅へ…ここもヤンデックスを使います。

タシケントにはうウズベキスタン鉄道の駅が複数あり、うっかりすると間違えかねません。少なくともタシケント駅とタシケント南駅があります。我々の夜行列車はタシケント南駅の方でした。多分夜行列車系はみんな「南」の方かな?

乗り方がよくわからなくて不安なので発車時刻の30分前に到着。

JANUBIY というのが多分「南」の意。しらんけど

駅に入る時点で荷物検査がありました。整列とかいう概念はないしなんかたまにスタッフと揉めてる人がいるのでここもまた譲らぬ心で進みます。案外すぐ入れました。

待合室で待ちます。大きな待合室、その両脇にトイレや小さな売店スペースというシンプル構造です。
日本だとそれなりの乗降者数の駅なら商業施設がくっついて…とかになりますが、そういう商魂はこの国にはないのでしょうか。(どっちかがよいとかではなく)
共産圏あるあるなのか、モロッコもこんな感じだった気がするので新興国あるある?

今回の旅についてまわる話ですが、(駅の)トイレが汚い涙

基本的に便座に液体が飛び散ってるんですよね。
どんなに雑に用を足してもそうはならんやろ??とずっと不思議だったのですが、たま~に便座に足跡がついてることから察するに、あんまり信じられないのだがおそらく便座を踏んだ状態で和式トイレのようにしゃがんで使っている人がいる…?と思われる。 ということは飛び散ってるこの液体は、、、

どの使い方が正しいのかよくわからなくなってきました。汚ねーけどもうこういう旅では割り切って飛び散ってるSOMETHINGを拭いてから使うしかない。。。

たまに日本の公衆トイレに、「便座に座って使ってね」と外国人向けの注意書きがある意味がわかりました。座らない使い方をする人がマジでいるのか。

調べてみるとウズベクが特別そうであるというわけではなく、ヨーロッパの一部でもそういう使い方する人がいるそう。この旅イチのカルチャーショックです。世界は広い。

閑話休題

発車時刻の20--30分前にはなんかぬるっと列車が来てるので、線路を横断してプラットフォームに行き、こんな感じの出入口から乗り込みます。

バリアフリーなどという概念はない(この写真は後日の他の列車のもの)

21:24発~翌11:10、ウズベキスタン東部~西部のヒヴァまで約14時間の長い旅路となる夜行列車の様子はこんな感じ。

廊下

客室

3つくらい等級があったと思いますがいちばん良い部屋です。2人で一部屋。一人6000円くらいだったかな。

(※これ2人で行ったからちょうどよかったわけですが、もし女性一人旅でここを予約したら見知らぬ男性と二人きり同じ個室…みたいな可能性もあったんだろうか。謎)

ウズベキスタン鉄道のウェブサイトから予約しました。たぶんほぼ満席だったと思います。

この等級を使ってるのはほぼ欧米人+我々でした。地元の人は4人一部屋のもっとも一般的な車両を使ってるのが大半だったと思います。
高くて良いものを裕福な外国人が買っていくという、東京のインバウンドの現実も頭をよぎります。

ウズベキスタン到着の数時間後に夜行列車というハードスケジュールですが、案外この列車しっかり眠れました。

車窓からの風景は基本的にこんな感じ。

砂漠

砂漠!まじでずっとこの風景。砂というより土が基盤で、アフリカの砂漠とはまた違いますね(知ったような口)。

中央アジアに来たことが実感できてなかなかよいです。
シルクロードをいく旅人の気分…というか実際そうなっているんですよね。よき。

早朝に目覚め、夫が寝ているのを横目にこの単調な風景を一人でぼーっと眺めているときがいちばん旅情に浸っていたかもしれません。(※新婚旅行とは)

まあ、旅情とか余韻って他人が介在しないとこで感じるもんですので

たま~に人工物(駅)もあります。ここにあってどうすんだというレベルの秘境駅だらけですが、線路メンテナンスとかの都合でちょいちょいポイントを設けてるのかも?しらんけど。

砂漠の中に唐突に現れる駅っぽい建物

なお、売店や食堂などという気の利いたもんはないので食料や飲み物は買っていった方がいいです。いちおうウォーターサーバー的なものはありますがあまりアテにしない方がいいかも。

ついでにちゃんとした車内案内板とかもない。※ウズベク、全体的にオフィシャル情報提供が少ない(少なくともnotウズベク語話者からすると)。

さて、ヒヴァに着きました。

ヒヴァ駅

11:10頃到着し、なんと16:24にまた列車でヒヴァを発つというアホのスケジュールを組んでおります。さあて、5時間でヒヴァを楽しむぞ

ursidae.hateblo.jp

2023フィルムログ

例によってTVアニメ等も含め鑑賞した映像作品をなるべく全て書き出します。2023年。

1月

  1. 機動戦士ガンダム 水星の魔女(続き)
    全員がよかれと思って取った行動が全て裏目に・・・進めば二つ、じゃあないんだよ
  2. ガールズアンドパンツァー
    最初は何だこれ???だったが、後半の戦闘はたしかに面白かった。
  3. ぼっち・ざ・ろっく!
    傑作ではないですか。ぼっちちゃんの陰キャ芸がぶっ飛んでいて面白かったのと、ぼっちちゃんが勇気を出してとった行動がちゃんと報われて、彼女の世界が少しずつ広がっていく様が熱かった。まさかきらら系でこんなに胸が熱くなるなんて思っていなかった。名作青春アニメ「宇宙よりも遠い場所」にも似た観後感
  4. RRR (IMAX再上映)
    やっぱり映画館で観たいよな~ということで再上映に乗っかった。ガチ勢しかいなくて面白かった。
  5. ODD TAXI
    面白かった…まさかあの表現がそういう意味だったとは。ネタバレを避けようとすると何も言えない。

2月

  1. ナイブス・アウト/ グラスオニオン
    面白かった。玉ねぎのごとく多層的なストーリーも面白かったが、ブノワ・ブランがあくまで主役(ヘレン)のサポート役に徹しているのが好きだな。名探偵に知恵・戦略は借りるけど、クソ野郎を最終的にボコすのはあくまでヘレンの勇気なのである。前作でもブランが「あなた(主役(移民女性))の善良さが犯人を出し抜いたんだ」って明言していたので、弱い立場の女性が勇気や正義感で金持ちに打ち勝つストーリーに意識的にしているのだと思う。素敵。
  2. The FIRST SLAM DUNK
  3. アントマン・アンド・ザ・ワスプ
  4. BLUE GIANT
    泣いた。王道の青春ストーリー、ジャズの熱く激しいところが好きなんだ、とダイが語る通りの演奏・映像表現にどんどん引き込まれました。すごいもんを観た。スラダンを見た後だとCGが物足りなく感じてしまうけどご愛嬌ね。
  5. アントマン
  6. ロストシティ
    超豪華キャストにこれをやらせるという面白さがあった。

3月

  1. エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
    最近マルチバースもの増えてきたけれど、エブエブはバースジャンプの設定が面白くて前半は特に笑いながら観てしまった。マルチバース、カンフー、クィア、アジア系女優の躍進、とあまりに令和な作品。後半正直よくわからんかったが雰囲気で楽しめた。(褒めてる)
  2. TAXI DRIVER
    スコセッシ作品に向いていないかもしれない。主人公のやることなすことハテナだらけであった。(特にデートのところ)沈黙(サイレンス)は結構好きだったんだけどな。
  3. リコリコ 2周目
  4. 進撃の巨人 Final season 完結編 全編
    タイトルの付け方下手か。絶望そして絶望…。船や飛行機、科学の力で超自然的な地ならしに対抗するのがなんかいい。実はユミルの民とか始祖がどうこうみたいな設定の部分あんまりわかっていない。でも面白い。

4月

  1. ジョン・ウィック
  2. ジョン・ウィック2
    キアヌTUEEEEEE系。裏社会と無関係な人から見たら妻と車と家まで亡くした職業不明のおじさんなんだなと思うとなかなかの哀愁。裏社会の雰囲気とアクションがかっこよくてストーリーはそこまでひねりがないので頭空っぽで見れてよい。
  3. プリンセス・プリンシパル Crown Handler 3
    プリプリは本当にストレートに面白いな。スチームパンク・スパイアクション・シスターフッド・ほどよいファンタジーと政治的駆け引きのバランス…王道面白要素がこれでもかと詰まってて好きしかない。今回はアクション要素が薄めだったけど全く退屈しなかった。ほんとよくできたシリーズ。
  4. 名探偵コナン 黒鉄の魚影
    灰原哀」を完璧に描いてくれた。大傑作。コナンゆるファン歴21年目にして初めて泣いてしまった。原作も全然追ってなかったけど舞い戻りそう。やばい。絶対幸せになれ灰原。
  5. 水星の魔女 season2
    絶対に幸せになれスレミオ。(完結後追記)結婚おめでとうスレミオ
  6. プリンセス・プリンシパル Crown Handler 1(見直し)
  7. プリンセス・プリンシパル Crown Handler 2(見直し)

5月

  1. アクロイド殺し('99年 デビットスーシェ版)
    これ絶対小説で読んだ方が面白いだろ?
  2. ジョン・ウィック3 パラベラム
    よくもまあこんなに暴力シチュエーションを思いつくもんだと舌を巻く。馬だと…。ハリウッドにありがちなトンチキ日本描写が気になるが、4はわれらがリナサワヤマが出るということで改善に期待。日本人設定(???)ゼロのアクションはめっちゃかっこよかった
  3. TAR
    難解!見ている間は正直意図が分からず退屈さも感じたが、観終わった後にひょっとしてこういうことだったのか…?と見えてくるものがたくさんあって深みがあった。ケイト様の圧巻の演技たるや。印象深かったのは「音」の不快さ。嫌というか厭というか、リディアが追いつめられる様をよく表現していてすごい。
  4. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー1(見直し)
  5. ロキ(見直し)
  6. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3
  7. アントマン クアントマニア

6月

  1. 007 カジノロワイヤル
    相変わらずの頭おかしいアクションシーン(クレーン・建設現場の空中戦)最高
  2. リトルマーメイド(アニメ版)(見直し)
  3. リトルマーメイド(実写版・吹替)
    洋画は当然?字幕派だがディズニー作品に関してはわりとキャスティングを信頼しているので吹替で初見。映像にも集中したいし。結果、豊原江里香さんの歌声が素晴らしすぎた。エリックとアリエルがひかれあう過程がしっかり描かれていてよかったな。ラストのアリエルとトリトンのやりとりも大塚明夫氏のイイ声・演技のせいか泣けてしまったね。ハリーベイリーの歌声も気になるので字幕版も見たい。
  4. スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース (字幕版)
  5. スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース (吹替版)
    ずるいくらいの傑作!!あの絵を実現させるためのマルチバース設定といいアクションの映像表現といいグウェンの父との確執といいマイルス・グウェンのエモな対話シーンといい…ジュブナイルものとしての良さ、ヒーローものとしての良さ、詰め込まれすぎていた。吹替版については悠木碧の演技が、繊細なグウェンの揺らぎを見事に表現していて本当に天才だった。

7月

今月はひたすらSF小説(三体)を読むことに没頭していたので全然映画を見ていなかった。

  1. 君の名前で僕を呼んで(2回目)
    数年前に一度鑑賞したときにはなかった「このときにはもう好きだったのか…」という感慨を持って観れるのがよい。ティモシー・シャラメはこの作品で演技を激賞されたらしいけどさもありなん。そして、主人公家族がイタリアで過ごす夏が楽しそうすぎてうらやましすぎてその上シャラメはこんな大恋愛をした才能豊かなリア充で、それに引き換え自分の人生って…と思ってしまうなどした(余談)

  2. 君たちはどう生きるか
    難しかった…考察云々は詳しい人にお任せするけど、生と死のメタファーがこれでもかと詰め込まれていて、夏子さんの下での生まれ直し(≠生まれ変わり)をテーマにしているように感じた。私小説っぽかった。

8月

  1. カールおじさんと空飛ぶ家
    序盤からもう泣ける。良…
  2. ビアンカの大冒険 ゴールデンイーグルを救え
    子供の頃、親にリトルマーメイドや101匹わんちゃんのVHSを買ってもらったのだが、その中に予告編が入っていたこの作品。その予告編のことを最近ふと思い出して、ゴールデンイーグルとやらと少年が飛ぶシーンの壮大さを味わいたくなりディズニープラスで観てみた。(こういうのができるのがD+のいいところ)
    やはり例のシーンは文句なしに美しかったし、マラフーテはもちろん虫や動物の動きが素晴らしすぎる。それをさらに上回っていたのが密猟野郎のアニメーションの良さ(笑) 密猟野郎はアニメーターにはだいぶ愛されていたのでは…笑 勝利を確信して小躍りしているシーンのヌルヌルさに笑ってしまった。
  3. RRR (3回目)
    定期的に摂取したくなる作品。複数回見ているとだんだんキャラへの愛着が湧いてきてしまっていけない。
  4. 響け!ユーフォニウム アンサンブルコンテスト
    吹奏楽コンクールに絡むメインの話からは少し逸れた、穏やかな小品という雰囲気。久美子の部長としての成長が見えてよかった。黄前部長、麗奈や奏に比べると尖った部分・つよめな部分がなくて、本人もたまにそれを気にしていそうなんだけど「尖ってる組」にはできないことをしっかり意識的にやっていてえらい…。高校生でそれができるのほんとえらい。
    あと久美子・麗奈の付き合いたてカップルのようないちゃつきにキュンキュン()した。女子中高生同士ってああいうのあるよねわかる。
    けいおん!も然りなんだけど女子高生のちょっとしたおふざけ等高校生活描写の解像度が異常に高くて感心する。女性スタッフがいるからか、取材の賜物か。
  5. ミッション・インポッシブル デッドレコニング pt.1
    特別MIファンってほどではないけど、予告編で見たバイク崖ジャンプのシーンに惹かれたので、あとトップガントム・クルーズかっこいいなと思ったのでIMAXを見てきた。
    ローマでのフィアット500でのカーチェイス、スリルと爆笑が両立していて最高。スパイ映画のヒロイン(?)が車の運転ド下手だとこんな面白いのか。グレースは凄腕犯罪者が集まる中でかなり人間味が出てていいキャラ。
  6. ノートルダムの鐘
    劇団四季版を観てきたのでこちらも再鑑賞。四季版フロローは聖なるものと自分の欲望の間で葛藤し、そこに打ち勝てなかった弱さをエスメラルダに転嫁してしまうという、悪さというより弱さを抱えている印象(異論は認める)だった。映画版フロローはもう少しわかりやすく「悪」って感じか。
  7. マイ・エレメント(吹替)
    よかった。水が町を流れていくシーン、社会的に恵まれていない階層の人々が水の被害を受けるのはポンジュノ監督の「パラサイト」にも似ていて結構リアルだったな。

9月

  1. Red, White, and Royal blue
  2. ジョン・ウィック コンセクエンス
    主役3名(真田広之ドニー・イェン)かっこよすぎ。階段のシーンすごすぎる。
  3. メイド・イン・アビス TVアニメ1期
  4. メイド・イン・アビス 深き魂の黎明
  5. メイド・イン・アビス 烈日の黄金郷
    1期にてあまりに見事なTHE初見の悲鳴をあげてしまったので載せておきます。
    10話序盤までの余裕

    ↓
    ↓  5分経過
    ↓

困惑

リコさんの腕~!

総合的な感想↓

10月

  1. シェイプ・オブ・ウォーター(2回目)
  2. (500)日のサマー
  3. ポカホンタス
    Colors of Windでジョンスミスを含めたヨーロッパ世界の傲慢を諭すポカホンタス…これ今の時代にもう一度やってほしい。実写リメイクやりまくっていることだしぜひ。(でも真面目にこのテーマをやろうと思ったら賛否両論出てものすごく大変そう)
  4. オデッセイ(The Martian)
    原作小説に出てきたドリル壊しちゃった事件やローバーひっくり返る事件は描写されていないのね。ラストの回収シーンがよりドラマチックになっていた。面白かった。
  5. ターザン
    ポカホンタス見た直後なのでなおさら強く思うけど大英帝国は本当にロクなことをしない。ターザンが洋服を着こんでお母さんと別れるシーンは泣けたなあ。アクションシーンすごい。ジェーンさんの行動力すごすぎ。

11月

  1. 進撃の巨人 The Final Season 完結編 後編(=本当の最終話)
  2. ゴジラ -1.0
    ワダツミ作戦、普通に面白かった。ゴジラにもいろいろタイプの作品あれど、私は本作やシンゴジラのような「人間vsゴジラ」系統が好きなようです。人間が考えだす奇策やそれを段階的に実行するときの団結・希望(・ときに絶望)がたまらなく熱い。とはいえこの作品は日本軍的自己犠牲マインドを礼賛しているように見えてそこがちょっと気になったかな。
  3. トレジャープラネット
    ディズニーファンの中で隠れた傑作のように語られているのが気になって鑑賞。主人公がディズニー主人公には珍しい今時のちょっとスレた少年というのが新鮮。ファッションがかっこいい。そしてなんといってもシルバー。こんなにも欲望と情の間で揺れ動く人間味のあるヴィランがいるかよ。彼がこの作品の魅力の8割くらいを占めている。よかった。

12月

  1. WISH
    音楽はめちゃくちゃいいし絵もきれいだし悪くはなかった…、けど、もう一捻りあっても良かった感。100周年というのにとらわれすぎたのか、アーシャ個人の中身にあまり踏み込めていないように感じた。字幕で見たらもう少し感想変わるかもしれない。
  2. 白雪姫
    ウィッシュを観たらなんとなくクラシックディズニーが見たくなって鑑賞。何気に初。1937年にこの動きを表現していたことに何度でも驚いてしまう。「動かす」ということをやりたくて7人の小人が出てくるこの話を題材にしたのかな~
  3. ミラベルと魔法だらけの家(再見)
  4. CyberPunk エッジランナーズ
    最終話後に1話のデイビッドを思い出すと彼には幸せになってほしかったと思ってしまう。ルーシーを守れたから幸せだったのかもしれないが…。かっこよすぎるOPに違わず映像やキャラデザがスタイリッシュでかっこよかった。あとルーシーがミオリネさんに似ていてかなり好き(笑)
  5. ジョーカー
    ヒットしたのも頷ける傑作。ホアキンフェニックスの表現力に引き込まれるし、終盤のソフィーの一言で、あれもこれも非現実だった?!と気づく構成の巧みさよ。どこまで現実なのか曖昧なのも面白いところ。
  6. 戦場のメリークリスマス(2回目)
  7. モアナと伝説の海(2回目)
  8. タイタニック

まとめ

だいたい60本くらい観てきて特に面白かったものを挙げてみます。 (あくまで自分が2023年に観たものなので旧作も含む。)

ストレートに面白くて万人にすすめられる部門

なおこれらを押さえてぶっちぎりで面白かったのはスパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース
アニメでしか表現できない絵画的な表現…という賛辞からはたいていアクションシーンが想起されそうなんですが、本作はグウェン父娘のすれ違いを描いた精神面での重要シーンでもそれが生かされていてよかった。水彩画風(?)になるんですよね。
シリーズの積み重ねがあるからこそ成り立つ諸々のシーン、それをさらに活かしたスパイダーバースという概念も最高。近年大量発生しているマルチバースもの(というかM○U)に若干食傷気味だったけど、後述のエブエブとスパイダーバースに関してはその概念の扱い方が天才的でした。 あと、まどマギ好きの個人的な思い入れを差し引いても吹替の悠木碧が本当に良かった。

難解で一部よくわからなかったけどなんかスゴかった部門

  • エブエブ
  • TAR

エブエブに関してはなんだかセカイ系…?とでもいえるのかもしれない。前半ではひたすら面白ぶっ飛んでいたマルチバースの設定が、自分の人生に向き合うためのギミックになっている点が巧みでした。ベーグルのくだりがよくわかってないので今から再見します

TAR、リディアが実在の人物なんじゃないかと感じさせるほど現実味のあるケイト様の演技がすごかった。

2023ステージログ

2023年いったステージ(舞台・コンサート問わず)まとめ。

  1.  2/19 キングダム 帝国劇場
    高野洸ファンの友人につれていっていただいた。美弥るりか様・・・

  2.  3/7 アナと雪の女王

  3.  4/23 宝塚月組 応天の門/DeepSea
    祝・初レビュー鑑賞。しかもSS席。楽しすぎて楽しすぎた。あのふざけた布の量はいったい

  4.  6/4 宝塚宙組 カジノロワイヤル

  5.  6/10 美女と野獣
    比較的前方から見れた。表情がよく見えてルミエールやコグスワースがかわいい。

  6.  6/24 アナと雪の女王
    2周年記念

  7.  6/25 宝塚雪組 ライラックの夢路/ジュエル・ド・パリ
    やっぱりショーだわ。もうショーしか見たくない…

  8.  7/1 クレイジー・フォー・ユー
    ちょっとびっくりするくらい面白かった。アラジンのようなコメディ枠としてもっとヒットしてほしい

  9.  7/4 クレイジー・フォー・ユー
    おかわり

  10.  8/1 ノートルダムの鐘

これにてステージ納め!


ウィキッドの年だったといって過言ではないでしょう。大阪遠征するか悩むなあ。初観劇だったCFYも今後リピ決定。

観劇や映画に重点を置くようになって以来ライブが激減してしまった。三浦大知のステージも今年は見に行かず。(曲は聴く)

年齢なのか何なのか、アーティスト個人への興味が昔に比べて薄れてきて、そのかわりメッセージ性や演出意図を読み取れる物語性の強いものに興味が移ってきた。

あと、今まで一緒にライブに行っていた友人たちの結婚や出産ラッシュによる影響もあるか。 学生の頃はあんなにライブ参戦が正義!推せるときに推せ!とか言っていたのに、自分の内側や外側の移り変わりを感じてちょっと切なくなる年末。

劇団四季2023年版ウィキッド初日(10月19日)

待ち望んでいた、ウィキッド再演に行ってきました。せっかくの初日だったので暑苦しめに感想を書いておこうと思います。

前日譚

私がウィキッドの話をするならば、まずは2007年に遡らなくてはなりません。

16年前のそのとき、私はまだ高校1年生でした・・・。

(何か始まった)

2007年、ミュージカルには縁遠い静岡の高校生だった私。母がうっすらミュージカル好きということもあり慣れぬ東京の景色に圧倒されながら汐留の「海」劇場につれていってもらいました。ライオンキングは小学生のとき見せてもらったことがあり、もちろん面白いと思ったのですが…。

ウィキッドの衝撃たるや。

まず、西の悪い魔女の前日譚というワクワクさせる設定。勧善懲悪のストーリーってつまんなくね?といっちょまえに捻くれていたティーンエイジャーにもドストライク。

オズの魔法使い」とこう繋がるのかと唸らせる巧みなストーリー、 世界観に引き込む豪華な舞台装置、 そして何よりDefying Gravityですね。

ストーリー的にも重要な転換点であり、そこでエルファバが見せる決意の強さと歌唱のパワーが相まって、稲妻に打たれたような衝撃を受けたことを覚えています。(DGの感動を語るとき、「稲妻」「雷」という表現を毎回してしまうのだが本当にそのくらいビリビリとする衝撃だった) 歌を聴いて涙するということを生まれて初めて経験しました。私にとってウィキッドが、「(ミュージカルに限らず)舞台芸術に圧倒される」という原体験になったのです。

当時はキャストの名前をチェックするという概念を持っていなかったので、もったいないことにあのエルフィーが誰だったのかは今や闇の中です。(正確な日付も覚えてないし) が、時期的におそらく濱田めぐみ様だった…?という推測のもと、今も濱めぐ様のことをちらちら追っかけ、たまにメリーポピンズ(舞台)を観るなどをしています。大人になってから昔の初恋の人を見つけちゃったみたいな感じですね(???)

当時、まあ高校生だったということもありミュージカル観劇という趣味・習慣の確立までは至らなかったわけですが、東京在住会社員・女性・30代となり、LKやアナ雪きっかけに四季ファンとなったある日、あの「ウィキッド」を再演するというじゃあありませんか。シキチャン…!!

そこから10/19を迎えるまでは早かった。おそらく私と似たような原体験を抱えているファンも多い中、貴重な初日チケットが当たった者のもはや一種の責任感まで感じて「秋」劇場に向かったというわけです。

↑開演数日前、必死に冷静になろうとしている私

2007年当時はDGの衝撃がデカすぎてストーリーの細かいところは正直あまり覚えていないのですが、それも逆にラッキーということで新鮮にも楽しめました。

10/19 当日の様子

役者さんの詳細な所作等というより、私の心境を中心にお届けします(需要)

実は「初日」という概念の現場に行くのは長年追っかけていた安室ちゃん現場を通しても多分初めて。 会場に着くなり、やはり熱気がすごい。この人たちがきっと私のように(私以上に)今日を待ちわびてた人たちだと思うとすでに胸が熱く… このご時世の中無事開演しそうってだけでももうよかったなあ😢と

自席からの眺め

四季のスタッフさん(バイト+普段は見かけない社員っぽい方々)もたくさん来ていらっしゃる。きっとちよき社長もいらっしゃったのでしょう。この場を用意してくれてありがとう…

キャスボ。

初日キャスボ

初日はやはり三井さん!エルサでどんどん深みと強さを増していった三井さんのエルファバ、楽しみすぎる。でも推し(?)の岡本瑞恵さんのエルファバも見てみたかったなあ…という心残りも実はありました。このときまでは。

いよいよ開演時間。マナー喚起の影アナもウィキッド仕様。うう…(もう何でも泣ける)

(どうでもいいけどウィキッドやアラジンの影アナは作品仕様になってるけどアナ雪とかは通常仕様なのなぜ?)

そして

GoodNewwwwwwwwwwwws!!!!!

(´;ω;`)ブワッ

以降、時系列に雑多な心の声をお届けします。 ※ネタバレあり。すでに観劇した人向け

なお、2007年当時見て以来ストーリーは結構忘れており(あれだけ衝撃を受けておいて…汗)、前提知識は公式HPに載っている程度のあらすじ、「オズの魔法使い」原作、サントラです。

  • グリンダ、悪い人いなくなってよかったね~みたいな雰囲気出してるけどこの人エルファバを裏切ってこういうポジションにいるんだったっけ?それとも…?
  • よく名前はきいてたけどこの方が真瀬さん。スタイル良…腕の長さとハイトーンどうなっとる??
  • 母親の不倫相手、普通にクソ野郎やないかい。なんでそんな怪しいもん飲ますねん。すべての元凶…こいつがオズの魔法使いその人だったってオチありそう(御明察)
  • エルファバが生まれる瞬間にウィキッド(というかエルファバ)のメインテーマ流れるの印象的。こういうのミュージカルっぽくていい
  • 緑の赤ちゃん結構生々しい
  • そういえば緑って欧米だとそれこそ邪悪というイメージがあるらしい(?)のでそれもあっての色設定なんだろうか
  • ウィキッドといいアナ雪といい、竹芝にいる父親キャラは娘を呪縛しすぎでは。しかも長女が悪い魔女と呼ばれてしまうのも似てる…
  • 三井エルファバが出てきた時の拍手!四季作品では珍しいのでは?みんな本当に待ってたんだねえ
  • サントラに入り切ってない台詞・シーンが結構多いんだな
  • 大学入ってから、周りにかみつくエルファバ始め結構コミカルなシーンが多くて面白い。三井さんはエルサのシリアスなイメージがあったので新鮮。かわいい。と、面白く描いているとはいえつらい人生だったね…
  • グリンダが記憶以上に頭空っぽで笑った。杖のかわいい持ち方… とはいえグリンダ、一応魔法使いになりたいっていう望みはあるんだね
  • 「魔法使いと私」。エルファバの最初の見せ場きた。三井さん予想以上にパワフルで素晴らしくてもう泣ける。岡本エルフィー見たかった…という不毛な思いはこの辺から消えゆく
  • フィエロきた。イケメン設定とはいえ美青年すぎるが???
  • ボックに声かけられてからのネッサはエルファバにちょい塩なように見えた。仲良しに見えたけどネッサはエルファバのことをどう思っているのだろう…。
  • Dancing Through Lifeがエルファバ・グリンダの関係性においてこんな重要な曲だったとは。変な帽子を贈るという悪意が善意になって返ってきて、それに善意でさらに返すグリンダ。ヘンテコダンスがあんな胸熱シーンになるなんて聞いてませんよ
  • Popular。コメディエンヌっぷり炸裂。キラキラ~キラキラ~
  • ディラモンド先生~!!
  • なるほどフィエロの株はここで上がるのか。ただのチャラ男ではなかった。そしてこのライオンがあのライオンということなのね
  • (オズのおじさんが黒幕なことを思い出してきた私)な~にがセンチメンタルじゃ
  • 原作にも出てきた翼のあるサル、こうやって生まれてきたのか。えぐい…
  • Defying Gravityが来る予感…(姿勢を正す)
  • 空飛ぶホウキもマントも現地調達して魔女の姿になったのか。巧い…凄い…。
  • エルファバの決意もすごいけどグリンダの板挟み具合もつらいだろうなあ…
  • 邪魔など、””””させない””””!!!!(ガナりめっちゃかっこいい!
  • 嗚咽(客席のあちこちで)
  • 嗚咽(自分)

そして幕間

  • 2幕。グリンダはすっかりオズの魔法使い側について人気者になってもどこか満たされない様子。フィエロとは全く嚙み合ってない。真瀬さんがこの時の衣装似合いすぎ。たしかにこの衣装宝塚でもありそうよね
  • オズのおじさんが歌う「ワンダフル」はPopularのオズおじさん版のように見えた。周囲が自分をよく見てくれればいいよね~ という。「騙し騙され生きよう」というフレーズを100%否定できなくなった私、大人になってしまったな… そしてエルファバ、この呼びかけに一瞬揺らぎそうになった?という解釈でよい?
  • ネッサ役の若奈さんにアリエルのイメージがあっただけに2幕でのドロドロぶりがかなりショックだった。1幕でもちらっとよぎったけど、実はもとからエルファバのこと好きではなかったんだろうか…。そうであってもなくてもつらいシーン。昼ドラのようでもある。

  • As Long As You're Mineは曲単体では正直そこまで…だったけど、ストーリーの中に織り込まれるとやはり感動した。その後、まさかあんなことになるとは。

  • フィエロのことで言い合いになるエルグリのやり取りが意外とコミカルさがあって救われた。その後フィエロが銃にくくりつけられたシルエットでカカシか!と気づいた。パッと見の軽さとカカシをかけてるんだとしたらめっちゃすごい。
  • ネッサが本当につらい人生だった。あの悪のマグゴナガルみたいな悪のメリル・ストリープみたいなモリブルとかいう女許せんな。2幕序盤で「ネッサがエルファバの弱点です」と言ってしまったグリンダ、それがモリブルのコレを引き起こしてしまったと気づいたらいったいどうなるのか…(と思って観ていたけどそれは描かれなかった)
  • No Good Deed(闇に生きる)もサントラで聞いてるだけではそこまで…だったけれど、このときエルファバが置かれた状況を思えばなんたる凄まじい曲なのか。正義感や善意がすべて空回りし、でも信念を捨てられず、邪悪な魔女として見られて生きていくことを選択するこの覚悟。絵面は完全に(もちろん演出として意図的に)悪い魔女なのだが、彼女以上に強く優しい人がいようか…ああ…
  • モリブルがネッサを死なせたと明かされる場面。お人形でいればいいとモリブルに言われる場面。ああ…
  • エルファバがドロシーを閉じ込めているシーン。(「オズの魔法使い」の流れ的に)ここでエルファバが死んでしまう…?と生唾を飲む。
  • ↑の状態で聞くFor Goodはやばすぎるでしょう。ミュージカルTV(NHKでやってる「クラシックTV」の番外編) で見た、咲妃みゆさん/ケリー・エリスさんのデュエットが良くて、ずっと聴きたかった曲。客席からきこえるすすり泣きに引っ張られたのもありまた号泣。グリンダは良い魔女としてまた人前に戻るわけだが、この別れを経て偽りの姿をやり通す覚悟よ…
  • そしてオズのおじさんと悪のマグゴナガルをシメるグリンダ。エルファバでなくグリンダがこれをやることの意味よ…(後述します)
  • カカシになったフィエロと生きていく決意をしたエルファバ。グリンダにも生きていることを伝えずに…あああ…
  • 「想いを託してくれた人のためにもこの身を捧げます」「良い魔女グリンダとして」サントラで何気なく聞いていたフレーズが鉛のごとき重さでのしかかってくる・・・そこで流れる""Good News!"" ""死んだぞWICKED!"" 言葉にならない
  • 終劇
  • 嗚咽
  • カテコ。万雷の拍手とはこのこと。讃えずにはいられない
  • ではなんかエルファバのメイク変わった?と思ったら三井さんが泣いてメイクが落ちちゃったのかな?
  • 一度「ご来場ありがとうございました」的アナウンスが入ったけど鳴りやまぬ拍手。わかる

まとめ

Defying Gravity

観劇前からわかっていたことですが、もうとにかくDefying Gravityだけでチケット代なんて余裕で元が取れました。 三井さん、本当にありがとう。これはキャラクター的なものだろうけどエルサのときより少し声が太い気がしました。岡本さんや濱めぐ様の方が声質的には太いイメージだったのですが、三井さんの力強いDGにもう岡本エルフィーへの未練は雲散霧消しました。(小林さんもお聴きしたいですが)あんたがエルファバや。本当にかっこよかった…。

パフォーマーのすばらしさは大前提として、なんでこの曲こんなに感動するんだろう?と観劇後にちょっと考えてみたところ、

  • 護衛たちに追いつめられている緊迫した状況
  • 曲の中でさらに状況と感情が動いていき徐々にボルテージが上がっていく
  • ラストのカタルシス

という構成があまりにも劇的だからなのかなと思いました。

特に「徐々にボルテージが上がっていく」表現がめちゃくちゃ巧い気がしています。(もちろん素人意見ですが)

1つは

  • オズ陛下に謝っちゃいなさいよと(エルファバによかれと)説得するグリンダ→あくまで不正を正したいと断るエルファバ
  • グリンダについてきてほしいと頼むエルファバ→その選択はできないグリンダ
  • それでも(お互い納得した上で)別離を選ぶ二人

という今後の運命を決定づけるめちゃくちゃ重要な会話が目まぐるしく進んでいく点。 また、そんな会話がされている中で

  • 自分の魔法の使い道の決意を固めていくエルファバ。
  • その中でホウキを掴み、黒いマントを纏い、ステレオタイプな悪い魔女の姿へ近づいていき、WICKED誕生(タイトル回収)を予感させる
  • 曲が盛り上がるにつれエルファバも物理的に高い位置へ昇っていきラストを予感させる

という視覚的な点、そして何より楽曲と歌い手(メイン・コーラス)のすばらしさが相まって、ミュージカルというもののポテンシャルが余すことなく発揮された名シーンになってるのかなと思っています。サントラで聞いてるだけでも大盛り上がりなのに、ストーリーをなぞりながらみるとさらに輝きを増すという。

書いているだけで興奮してきたのでもう1回(1回とは言っていない)見たい…

エルファバ・グリンダ・ネッサの相補関係

ストーリーを通して考えてみると、ネッサローズ・エルファバ・グリンダは三者それぞれに「私が欲しいものをあの子は持っている」という関係だったように思います。(相補的とは言わないかもですが…) 例えば

  • エルファバになくてグリンダにあるもの:周囲からの好意
  • グリンダ→エルファバ:フィエロと魔法の才能
  • ネッサ→グリンダ:もちろんボック
  • エルファバ→ネッサ:両親からの愛情

みたいな感じで。

特にネッサは実はエルファバに対して尊敬・嫉妬・疎ましさなど入り混じった複雑な気持ちを抱いているようにも見えて、突っ込んで描いてみてほしかったな~という気はします。(尺的にしょうがないけど)

この3人が含むところなく仲良くいられる世界線があったらいいなあと思いますが、でもこの関係性が物語を引っ張っているんですよね…。つら…。 進撃の巨人みたいに現パロしてくれないでしょうか(笑)

やはりメインなのはエル・グリの二人なわけで、この二人の補うような関係性が結果的に黒幕をシメたのがこの作品のミソですね。

オズの不正を正そうとしたのはもちろんエルファバで、力強く1幕ラストで飛び立つわけです。が、2幕では自分が虐げられ、ネッサを傷つけ(しかも結構ひどい傷つけられ方をし)、ネッサを失い、唯一の味方だったフィエロも失い、グリンダともやはり決別しNo Good Deed(闇に生きる)の境地に達します。

はっきり言って絶望的状況なのですが、それでも信念を曲げず邪悪な魔女と言われてもやってやる!というのがここです。いわゆる闇堕ちと絵面は似てるがむしろ真逆な強さを発揮するこの場面。これだけでもエルファバの高潔さにやられて相当やばいのですが、この絶望の後にグリンダが来てくれるのがもう最尊(読み:さいとうとい)シーンなわけです。

エルフィーが全てを失った後に残ったのは、希望の光たるグリンダでした。パンドラの箱のごとく。Defying Gravityのときにグリンダがオズ側に残ったからこそ、エルファバはグリンダに望みを託すことができたんですよね。二人が何もかも違ったからこその結末です。 もう、お上手!!!!としか言いようがありません。

No ”Good” Deedの後、For ”Good”が歌われるのも絶望→最後のたった一つの希望を暗示していそうでやばい。(ここは日本語の惜しいところ)

(なのに、水に溶けるエルファバを見ることしかできないグリンダ…もうやめてくれ…。)

そして、この後に見るキャッチコピー

何もかも違うあなたがいる、だから世界は美しい

「何もかも違うあなたがいる、だから世界は美しい」

「何もかも違うあなたがいる、だから世界は美しい」(反芻)


も~~~天才しかおらんのか??

気になること

とまあオズおじさんを倒すという最後の希望は提示されるのですが、グリンダはあの後エルファバが死んだと思い込んで生きていくのでしょうか。

「水に溶けるなんて馬鹿な噂だ」というフィエロの言葉をグリンダも聞いているので、落ち着いたらエルファバを探し出して再会してもおかしくはなさそう(してほしい)です。

でも誰にも見つかりたくない、というエルファバの意思を尊重し、生きていることに薄々気づいてもあえて会おうとはしない…ということも…

2023読書ログ

読了

2024年へ持ち越し積読