わりとこうアムログ

宇多田ファンだけど結局安室ちゃんについて考えたり調べたりしたことを記録する羽目になった    「宇多田ファンによるアムログ」と同じ

宇多田ヒカルと諸行無常

宇多田カフェに一緒に行った友人が、曲聴きながらずっと

諸行無常・・・・諸行無常・・・

とブツブツ呟いていたんですが、私も宇多田作品に仏教ネスは常々感じていたので少しじっくり想いを馳せてみた。

 

ちなみにwikipedia先生によると諸行無常とは

仏教用語で、この世現実存在はすべて、すがたも本質も常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができないことをいう。

だそうです。

 

 

このへんを踏まえて特に諸行無常度高めな曲を挙げてみた。

 

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■「風の前の塵に同じ」 Travelling 

平家物語の引用な時点で言わずもがなですね。「仕事にも精が出る 金曜の午後」と花金イエーイ!な曲なのに、あんな鮮やかなMVなのに、諸行無常の代名詞を前面に出してくるのがすごい。楽しい時間にも終わりがある・・・(終わりがあるから楽しいとも言える)

 

■「少しケガをしたって まぁいいんじゃない」 Kiss&Cry 

どうせ時間経ったら治るしさ。(結局最後には死ぬんだしさ。)という比較的ポジティブな諸行無常。普段何気なく使うけど、「まぁ」って言葉、ちょっと諦めが入ってませんか?

 

■「さようならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い」 Flavor of Life 

「淡い」もですが「ほろ苦い」って形容詞、形あるものが崩れて融けていく様子を思い浮かべてしまうので。チョコレートみたいな。それが「解けぬ魔法」というフレーズの直後に来るのがね。

それにタイトルが「Love」などでなく「Life」ってのも諦観、俯瞰を感じる。

 

■「大きな看板の下で 時代の移ろいを見ていたいな」 

■「ずっと前に好きだった人 冬に子供が産まれるそうだ」 Passion

大きな看板って何でしょうね。商業主義の象徴?それとも宇多田ヒカルという超有名歌手のこと?そういった世俗と完全に離れることはできないけど、付かず離れずで移り変わりを見ていきたい・・・・とか?いや~兼好法師っぽい(?)

「ずっと前に~」も時間の不可逆性を感じる1節。

 

■2006年のツアーUTADA UNITEDのモノローグ

空気の音
水の音
砂の音
私の上を流れていく粒子の音
私の中に流れている血の音
小さなものがどんどん繋がっていく
大きくなる
大きなものがさらさら崩れていく
小さくなる
消える
現れる
消える

まさに万物流転というか・・・

人間=粒子が集まった構造・集合体である、という考え方が宇多田作品の根底にあるような気がします。生物の細胞をモチーフにしてるPVも多いし(主に紀里谷作品)。砂漠好きだし。

生物個体としての構造は保ちつつも、実はひとつひとつの細胞は常に入れ替わっている・・・みたいな生命観(というか事実)がね。

 

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とまあ比較的最近(?)の作品で諸行無常を感じることが多いんですが、なんだかんだ

Time will tell 時間がたてばわかる

デビュー時(15才)で歌ってるのがいちばんヤバいなと思うのでした。