高校生、なんてめんどくさいんだ…
中二病とはまた違う、高校生のめんどくさい感情あるあるオンパレードである。(だがそれがいい) 大きい方の鈴木ちゃんの拗ね方とか、なんなら私にも身に覚えがある。
一定数の10代が感じるような、でもいわゆる”青春もの”では意外とスルーされがちな、名前の付いていないあんな感情こんな感情を掬い上げてくれるのが響け!ユーフォニアムなのだ。
今回2年生となり新入生の指導を受け持つことになった久美子。やはり一癖ある新入生たちで、、、といった形でストーリーは進んでいく。だいたいこういうパターンでは、問題人物は過去や今の境遇に何かネガティブなものを抱えていて、それが「一癖」の原因になっていることが多い。そんな部員たちを久美子が結果的に矯正(?)させ、乙女ゲーよろしく陥落していくのが「黄前相談室」と揶揄されているゆえんである。
そんな中で、やはり麗奈は迷うことなく突き抜けていて異質だ。ある意味視野が狭いというか一直線というか、「高校生のめんどくさい感情」というのとは質の違う若さ(幼さ?眩しさ?)を持っていると思う。久美子との深い関係が描かれている部員の中で、「相談室」されてないのはこの子だけかも。
相変わらず大吉山でイチャイチャするくみれい(いつもありがとうございます)だが、周りに振り回されがちでみんなの間を右往左往する(でもわりとドライな部分もある)久美子と、ゴーイングマイウェイな麗奈が仲良くなるのはなんとなくわかるのだ。
正反対なキャラがコンビになったりカップルになったりするのはありがちな設定ではある。だが設定の都合ではなく、こんな子どうしが現実にいたら仲良くなるだろうなという謎の納得感。これはいったい何なんだろう。
この二人、「やっぱり久美子は性格悪い」というきっかけから始まった関係であり、お互いがいわゆる「イイ人」であることに期待していない。意見や生き方が一致しなくて当たり前というところから入っているからか、また二人とも基本的に他人に興味のない性格なためか、干渉もしていないように見える。それで安心して背中を預けあえるのかもなあ、、と思ったりした。
友情が恋愛の下に位置付けられるような価値観を、私は持っていない。少女漫画で恋愛至上主義的なものが描かれるたびにモヤモヤしていたものだ。
秀一と久美子のお祭りの場面はかなりときめいたものの、もしそれで久美子麗奈間の関係性描写が薄れてしまうようだったらどうしようと危惧していた。全幅の信頼を置いているユーフォでそれをやられたら、私のような女は救われる場所がなくなってしまう。
結果、それは杞憂だったのでさらにユーフォシリーズへの依存度が高まってしまったのだが、久美子と麗奈の関係性を、友情ではなく引力と表した京アニ(か原作者?)には拍手である。
総じて、ユーフォシリーズ(または武田綾乃作品)は私の思春期の経験に溜め込んでいたモヤモヤを、大半表してくれている気がする。
あと!演奏シーンね!神!!!!