私事ですが最近結婚しました。で、新婚旅行をちょっとマニアックなウズベキスタン(+トルコ)という国にしたのでいろいろ書いておきます。
旅行の行き先について
南極(笑)などの案も出ましたが、乙嫁語りの世界、○○スタンとか中央アジアとかシルクロードとかに憧れを抱いていた、かつ、治安などを考えるとカザフスタンかウズベキスタンかな?と考えていました。
※ちなみに南極はなんとHISのツアーがあり、長期休みとお金さえあればパンピーでも行けなくはないっぽい。よりもい。
ここでAI大好き夫がGROKにシルクロードの旅をしたい!と投げてみたところ、サマルカンドを擁するウズベキスタン→トルコの旅はどう?と提示されたのです。たしかにシルクロード。
で、憧れてるわりに前知識ゼロの私たちはAIのいうことを鵜呑みにし、
のフライトチケットを取ってしまったのでした。
AIの使い方として、いちばんやってはいけないとされてること(鵜呑み)をまんまやってますね。
そしてウズベキスタンとトルコ、AIがセットで提案してくるからには距離が近いのかと思っていたら、地図で見ると結構しっかり離れているのです(ウズベキスタンの首都タシケントからイスタンブールへのフライトは約5時間)。
旅程の効率性と自らの知性に一抹の不安を覚えたものの、フライトを買っちゃったのでガチャを引いたと思って行くしかありません。
愚か…
そしてさらに愚かなことに、
にも行きたくなってしまった私たちは夜行列車や追加フライトを取り、
- タシケント→(夜行列車)→ヒヴァ
- ヒヴァ→(夜行列車)→サマルカンド
- サマルカンド→(高速鉄道)→タシケント
- タシケント→(飛行機)→イスタンブール→(飛行機)→カッパドキア
- カッパドキア→(飛行機)→イスタンブール
- →(飛行機)→広州トランジット→帰国
という移動&移動&移動のハード旅を決行することになりました。
参考画像:
新婚旅行ってもうちょっと優雅なもんだと思ってましたが、おかしいですね。
なおこれにより夜行列車移動に挟まれたヒヴァの滞在時間は5時間となります。 以前敢行したモロッコ旅行もこんな感じ・なんならもう少しハードなスケジュールだったので、まあいけるんじゃね?と思ったというのもあります。
成田空港~タシケント
ということで2025年6月上旬某日、成田から発ちます。
ウズベキスタン航空@成田。
週3の直行便はウズベキスタン航空でのフライトです。
ウズベキスタンって多くの日本人から見るとどこ?ってか何?って感じなのですが、ウズベキスタン航空のキャッチコピー「the wings of Central Asia」(撮り忘れたけど紙コップなどに書いてあった)を見るに「中央アジア」としてのアイデンティティ・連帯感が強いんでしょうか。中央アジアという括り、日常生活であまり意識することがなかったのでなんだか新鮮でした。
中央アジアというのはそれこそ○○スタン系の国々かな。 ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンあたり?キルギスもかな。アフガニスタンまで行くと宗教観も含め別世界っぽく見えます。 なお、国名の「STAN」はペルシャ語で「土地」という意味だそうです。
参考画像:
とまあ陸続きの国たちの仲間意識に思いを馳せたところで(トルコとウズベキスタンの距離感も知らなかったくせに・・・)タシケントに着きます。
フライトは約9時間。
タシケント空港に到着すると機内→到着ターミナルまでバスで移動するのですが、ターミナルビル着いてドアを開けた瞬間、すぐ入国審査のカウンター。
あまりの率直な構造にびっくりしました。もうちょっと通路とかあるもんかと…
到着ターミナルでは、体育館的な大きな一つの空間の中に入国審査・荷物受取エリア・駐車場への出口が同居していてどんな方向音痴でもまず迷子になりません。
あと売店とかはほぼないです。SIM売場と両替はあった。Wi-Fiもあります。パスポートをスキャンする端末でパスワードを発行する仕組みでした。
この後、ヒヴァ行きの夜行列車まで時間があったのでタシケント市内のバザールまで行ってみることに。
YANDEX GOというUber的なアプリでタクシーを呼んで移動するのが観光客的には無難です。出待ちのタクシーは強い心でノーサンキューします。値段と行き先が確定した状態で乗れるのでヤンデックスは必携。空港の駐車場でヤンデックス運ちゃんと合流。
タシケントの街並み
タシケント、空気が汚い!(笑) ただし人工物質というより砂の汚さ(埃っぽさ)だと思います。歩道も砂で汚れている感じ。汚いという言い方は語弊あるかな。
右側通行、運転荒い、あとなぜかシボレーばっかり走っている。シボレーに特別安いとかのイメージはないのだがなぜ…(※これは数日後に種明かしあり)
運ちゃんは特にこっちに気を遣ってくるとかはなく自分の好きな音楽を流しているのですが、ウズベクのおそらく流行ポップスと思われる曲にもなんか絶対に中東っぽいグルーヴがある…!というのが驚きでした。
例えばこんな感じの、なんかアラブ?インディア?イスラム圏?何括りかわからないけどあの辺の独特なビート(というか音階が独特なのか?)、わかりますかね?
この地域のオリジナリティを出したい場面とかでなく、普通の流行音楽にもこういうノリが全部入ってるのが個人的には衝撃でした。
なお、Spotifyでウズベキスタンのヒット曲を聴いてみてもほぼほぼこんな感じです。
まあ、J-Popも外国人が聴いたらきっと違和感があるんでしょうね。洋楽(アメリカ)と違うのはなんとなく私でもわかるし…
というのにびっくりしていたら、15分ほどでチョルスーバザールまで来ました。
着いたのは18時頃。入れるには入れるのですが、全部店じまいしていました。
まあこれもまた旅よ。 バザールではスパイスとかすげーでけー肉の塊とかをワイルドに売ってるっぽく(閉店してるが…)、なかなか独特の匂いがします。
しゃあないのでバザールの脇のコンビニっぽい売店でペットボトルなどを購入。
地下鉄チャレンジ
さて、タシケントの地下鉄駅は内装が凝っていて面白い、という話を聞くのでチョルスーの駅から乗ってみることに。ちなみに乗り方はわからない
とりあえず行ってみようと試みるのですが、地図で指し示される場所に来てもそれっぽいものが見つからず右往左往…、結果的に地下への入り口を見つけたのですが、地下鉄のマークも何もないただの階段で、なかなかの初見殺しです。
で、入ってみると改札前に荷物検査がありました。
券売機はなく、チケットカウンターみたいなのがありました。が、買わなくてもクレジットタッチ決済で改札を通れることがカウンターのおばちゃんからのガイドで判明。
カウンターのおばちゃんに限らず地下鉄スタッフ、あまり海外観光客慣れしてなさそうで英語が拙いかも。人のことは言えないが
地下鉄の乗客も外国人が乗ってくるのを珍しがってるのかそれとも平たい顔が珍しいのか、わりともの珍しそうに見てきます。
地下鉄に限らず、現地の人々は濃いめの顔立ちなので平たい顔族(特に私は日本人の中でも平たい方)は珍しいのか、現地の子供がめっちゃこっちを見てきます。
たしかに観光地を歩いていても現地の人+欧米系観光客ばかりで近しい顔立ちの人はいなかったです。てか逆に欧米の人は結構この辺に観光しにくるんだ?!という驚き。
そんな感じで観光客なんて想定外な駅構内では、英語表記はあまり充実していません。ロシア語かウズベク語です。
アミール・ティムール広場に行きたかったので、読めないけどなんとなくアミール・ティムールっぽさを感じる名前の駅で勘で降り、勘でそれっぽい出口に行ったら案外着きました笑
結果的に雰囲気でなんとかなりましたが、構内の案内板があんまり親切じゃないので、プラットフォームのどっち側の電車がどっち行きなのかがいまいちわかりません。 電車の頭の電光掲示板を見て方向を判断する感じだったので路線図くらいは手元に持っておきましょう。駅に貼ってあるので写真撮れます。Googleでなんとかなりそうですがネットが不安定かも。
夜行列車チャレンジ
アミール・ティムール広場近くの謎の夜市っぽいところで夕飯を食べ、いざ夜行列車の駅へ…ここもヤンデックスを使います。
タシケントにはうウズベキスタン鉄道の駅が複数あり、うっかりすると間違えかねません。少なくともタシケント駅とタシケント南駅があります。我々の夜行列車はタシケント南駅の方でした。多分夜行列車系はみんな「南」の方かな?
乗り方がよくわからなくて不安なので発車時刻の30分前に到着。
駅に入る時点で荷物検査がありました。整列とかいう概念はないしなんかたまにスタッフと揉めてる人がいるのでここもまた譲らぬ心で進みます。案外すぐ入れました。
待合室で待ちます。大きな待合室、その両脇にトイレや小さな売店スペースというシンプル構造です。
日本だとそれなりの乗降者数の駅なら商業施設がくっついて…とかになりますが、そういう商魂はこの国にはないのでしょうか。(どっちかがよいとかではなく)
共産圏あるあるなのか、モロッコもこんな感じだった気がするので新興国あるある?
今回の旅についてまわる話ですが、(駅の)トイレが汚い涙
基本的に便座に液体が飛び散ってるんですよね。
どんなに雑に用を足してもそうはならんやろ??とずっと不思議だったのですが、たま~に便座に足跡がついてることから察するに、あんまり信じられないのだがおそらく便座を踏んだ状態で和式トイレのようにしゃがんで使っている人がいる…?と思われる。
ということは飛び散ってるこの液体は、、、
どの使い方が正しいのかよくわからなくなってきました。汚ねーけどもうこういう旅では割り切って飛び散ってるSOMETHINGを拭いてから使うしかない。。。
たまに日本の公衆トイレに、「便座に座って使ってね」と外国人向けの注意書きがある意味がわかりました。座らない使い方をする人がマジでいるのか。
調べてみるとウズベクが特別そうであるというわけではなく、ヨーロッパの一部でもそういう使い方する人がいるそう。この旅イチのカルチャーショックです。世界は広い。
閑話休題。
発車時刻の20--30分前にはなんかぬるっと列車が来てるので、線路を横断してプラットフォームに行き、こんな感じの出入口から乗り込みます。
21:24発~翌11:10、ウズベキスタン東部~西部のヒヴァまで約14時間の長い旅路となる夜行列車の様子はこんな感じ。
3つくらい等級があったと思いますがいちばん良い部屋です。2人で一部屋。一人6000円くらいだったかな。
(※これ2人で行ったからちょうどよかったわけですが、もし女性一人旅でここを予約したら見知らぬ男性と二人きり同じ個室…みたいな可能性もあったんだろうか。謎)
ウズベキスタン鉄道のウェブサイトから予約しました。たぶんほぼ満席だったと思います。
この等級を使ってるのはほぼ欧米人+我々でした。地元の人は4人一部屋のもっとも一般的な車両を使ってるのが大半だったと思います。
高くて良いものを裕福な外国人が買っていくという、東京のインバウンドの現実も頭をよぎります。
ウズベキスタン到着の数時間後に夜行列車というハードスケジュールですが、案外この列車しっかり眠れました。
車窓からの風景は基本的にこんな感じ。
砂漠!まじでずっとこの風景。砂というより土が基盤で、アフリカの砂漠とはまた違いますね(知ったような口)。
中央アジアに来たことが実感できてなかなかよいです。
シルクロードをいく旅人の気分…というか実際そうなっているんですよね。よき。
早朝に目覚め、夫が寝ているのを横目にこの単調な風景を一人でぼーっと眺めているときがいちばん旅情に浸っていたかもしれません。(※新婚旅行とは)
まあ、旅情とか余韻って他人が介在しないとこで感じるもんですので
たま~に人工物(駅)もあります。ここにあってどうすんだというレベルの秘境駅だらけですが、線路メンテナンスとかの都合でちょいちょいポイントを設けてるのかも?しらんけど。
なお、売店や食堂などという気の利いたもんはないので食料や飲み物は買っていった方がいいです。いちおうウォーターサーバー的なものはありますがあまりアテにしない方がいいかも。
ついでにちゃんとした車内案内板とかもない。※ウズベク、全体的にオフィシャル情報提供が少ない(少なくともnotウズベク語話者からすると)。
さて、ヒヴァに着きました。
11:10頃到着し、なんと16:24にまた列車でヒヴァを発つというアホのスケジュールを組んでおります。さあて、5時間でヒヴァを楽しむぞ