わりとこうアムログ

宇多田ファンだけど結局安室ちゃんについて考えたり調べたりしたことを記録する羽目になった    「宇多田ファンによるアムログ」と同じ

安室ちゃんのセトリを集計してみた③(2003-18年 プロデューサー起用傾向編)

作曲者別ライブ起用曲数

その作曲者の曲が、セットリストに載った回数です。 のべ回数なので、例えばCAN YOU CELEBRATE?が2012年、2014年のセットリストに入っていたら「2 回」とカウントします。

作曲者 起用曲数
Tetsuya Komuro 116
Nao'ymt 77
michico 60
T.Kura 42
TESUNG Kim 18
T-SK 18
Mim NERVO 18
Liv NERVO 18
MONK 17
Emyli 15
Maria Marcus 13
Thomas Johansson 11
Ronald Malmberg 11
Takahiro Maeda 10
HINOKY TEAM 10
Andreas Oberg 8
Anne Judith Wik 8
Nermin Harambasic 8
Ronny Svendsen 8
SUGI-V 8
Dallas Austin 7
Sandra Pires 7
Scott Nickoley 7
SHINICHI OSAWA 7
TIGER 7
Paul Taylor 7
Matthew Tishler 7
Adam Kapit 6
Full Force & Jennifer "JJ" Johnson 6
Hayley Aitken 6
Erik Lidbom 6
Eirik Johansen 6
Dian Eve Warren 6
Diane Warren 6
Jan Hallvard Larsen 6
SUNNY BOY 6
Steven Lee 5
Ryosuke Imai 5
Jenna Donnelly 5
Lasse Lindorff 5
Keith Forsey 5
L.L.Brothers 5
DOUBLE 5
Gennessee Lewis 5
Irene Cara 5
AUSTIN DALLAS 5
Christian Fast 5
Aretha Franklin 4
ravex 4
MURO 4
Taku 4
Tomoyuki Tanaka 4
YAKKO 4
小森田実 4
筒美京平 4
葉山拓亮 4

ぶっちぎりでTKでした!こんなにも2位以下と差があるのはちょっと予想外でした。 とはいえTK/ミチクラ/Nao'ymtが不動の御三家っていうのは数字の面からもほぼ言い切れますね。

年ごとの傾向

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各年のセットリスト起用曲数/作曲者ごと
起用回数の多いプロデューサー上位11名に絞ってグラフ化してみました

michico/T.KURA
TESUNG Kim / T-SK / Liv NERVO / Mim NERVO
は各々まとめて1勢力として扱ってもよかったですね。もうめんどくさいのでやりませんが…

まとめてみると、

  • 2003~2006年…なんやかんやでTK楽曲の占有率が高い
  • 2007 ~ 2011年…Nao'ymtおよびミチクラ期
  • 2012年…アニバーサリーイヤーなのでまあ特殊だとして、T-SK・NERVO姉妹登用多し。Nao'ymtミチクラに迫る勢い
  • 2013年以降…特別占有率の高いプロデューサーはおらず、分散気味

といった感じでしょうか。
まあなんとなくそうだろうなとは思っていましたが笑、やっぱり時期によってある程度の傾向は見えてきますね。

ちなみに、↑のグラフは作曲者11名のみに絞っていますが、全作曲者を無理やり入れるとこんな感じになります。

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縞が細かすぎてキモッ!

これ見ると特に 2012年 から作曲者の人数があからさまに増えていて、100人を超える年もありますね。

作曲者の人数がセットリストの曲数(約30曲)より多い
=1つの曲を複数名で作っている

ということになります。

FEELや_genicでその傾向が強いのだと思いますが、ちょっと調べてみた感じ、そういった Co-Write は世界的には一般的になってきている模様。

Co-Writeについて

www.asahi.com

アーティストにも様々なタイプがあり、多くのバンドやシンガーソングライターのように作詞作曲を自身で行うケースもあれば、シンガーやアイドルなどのように楽曲提供を受けてパフォーマンスに徹するケースもある。だが、一般的にアーティストというものをイメージしたとき、まだまだ日本には「アーティスト本人が作詞作曲をしているか」を重視する傾向が、音楽を作る側にも、聞く側にもあるような気がする。

一方、海外では「コライト」といって複数人で曲を作ることが珍しくない。例えば2018年のグラミー賞で最優秀楽曲賞を受賞したブルーノ・マーズの楽曲「That’s What I Like」を見ると、作詞作曲のクレジットには、ずらりと8人もの名前が載っている。一般的に自作自演のイメージのあるブルーノ・マーズでもそれにこだわっているわけではなく、楽曲至上主義というか、良い曲を作るための最良の手段として、当たり前にコライトで曲を作っているのである。でも残念ながら、日本はまだまだそういうケースは少ない。

Love StoryやYEAH-OHの T-SK さんご本人も同じこと言っていますね。 www.musicman.co.jp

コライトがスタンダードになって、日本の音楽シーンはもう「洋楽」である——そこから具体的にどういう作品を手がけられましたか?

T-SK:HiDEさんと出会った年に、双子の女性プロデューサーでアーティストでもあるNERVOと一緒にスタジオに入って曲を作りました。それが安室さんの「Love Story」です。その時の手応えはやっぱりすごかったですね。

それまでコライト(co-write:共作)はあまりやったことがなかったんで、HiDEさんも最初「他の作家さんのメロが入ってくるけど大丈夫?」って気を遣ってくれて。でも、海外の作家さんが僕の作ったメロディーをどう超えてくるかすごく楽しみだなと思って「ぜひやりたい!」と。


音楽ド素人なのでよくわかりませんが、IT技術の発展がそういったコライト傾向を後押ししてるのかもしれません。

J-POPとR&BなどのちゃんぽんだったBEST FICTION期から、FEEL以降はわりと明確に海外トレンドを意識していたように見えるので、自然とコライト曲が増えていったんでしょうね。

改めて、FEELと制作していたであろう時期(2012~2013年)ってターニングポイントが多い。。

  • 盟友御三家(TK・Nao'ymt・ミチクラ)からの脱却
  • からの海外制作陣多用
  • 欧米で売るつもりはなさそうなのに英語詞爆増

とか。

なんとなく、K-POPの隆盛と関係ないわけじゃないんだろうなという気がします。
引退しようとしてたのにできなかった、というところにも関わるかもしれないのですが、この時期何があったのか何を考えていたのかとっても気になる~